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今からでも遅くない!マイナンバー制度について知る(デメリット編)

個人情報流出のリスクが高まる

マイナンバー制度の目的は、個人情報の一元管理だ。行政にとっては個人情報を効率的に確認できることになるが、このことは同時に、効率良く個人情報を盗み出せる可能性が高くなることだと危惧されている。

このリスクを避けるために、マイナンバー制度では、個人情報を従来通り分散管理するとしているが、マイナンバーで紐付けされることのリスクは高いままだろう。

例えば、外部からの不正アクセスが防げても、内部の管理者に悪意が生じれば、簡単に大量の質が高い個人情報を流出させることができるのではないかという不安だ。

2014年に起きたベネッセの個人情報流出では、2,070万件の顧客情報が流出したが、このときは顧客データを管理するグループ企業の派遣社員が逮捕されている。

また、ウィルスによる流出もあり得る。2015年の年金番号流出事件は125万件の個人情報として、基礎年金番号と紐付けされた氏名・住所・生年月日が流出している。

この流出の原因には、日本年金機構の職員が受信したメールに記載されていたURLを、職員がクリックしてダウンロードしたファイルから、ウイルスに感染した可能性が指摘されている。

 

なりすまし犯罪の増加

マイナンバーは、開始当初は税金関係や社会保障手続きといった限定的な使われ方がされるが、将来的には口座番号などへの紐付けをする案が出ている。

既に同様の制度を導入している米国や韓国では、なりすまし犯罪が増発しているのだ。これらを日本だけが防げると考えるには無理がある。

政府は、マイナンバーからの個人情報漏洩や、なりすまし犯罪などを防ぐために、行政機関や民間企業に対する調査権や、勧告・命令ができる第三者機関として『特定個人情報保護委員会』を設置したが、対策が後手に回る可能性はあるだろう。

 

莫大な導入費

当然だが、マイナンバー制度の導入は血税によって賄われる。

システム構築にかかる費用は推定で2,700億円程度が見込まれており、制度を維持するための費用には、毎年300億円程度が見込まれているという。

これに、自治体側システムの構築費やマイポータル、モバイル端末からサービスを受ける仕組みなどの拡張機能を含めると、1兆円を超えるとも言われている。

もちろん、これらの費用は(システム開発を受注した民間企業の)誰かの収入にもなるわけだから、巡り巡って経済効果が出る可能性はあるので、一概に無駄な出費とは言えないが……。