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牛丼はかっこいい!インドネシアの若者に浸透する「YOSHINOYA」

日本の味を手頃な値段で

ここで敢えて矛盾しているかのようなことを書くが、インドネシアの吉野家は“手頃な価格の店”である。

だがそれは、“単に値段の安い店”というニュアンスではない。インドネシアでは、“日系飲食チェーン店”という事柄自体にブランド性がある。「メイド・イン・ジャパン」と書かれた家電製品が消費者から信頼を得ているのと同じことだ。

吉野家は、そのブランド性を最低限の価格で提供しているのである。

「どなた様も、ご家族みんなで日本の味を楽しんでください」

平たく言えば吉野家は、現地市民に対してそう言っているのだ。そういうこともあり、日本とは店内構造も違う。

まず、インドネシアの吉野家にはカウンター席というものがない。何しろファミリー客がメインターゲットなのだから、広々としたテーブル席が喫食スペースとなる。日本のファミリーレストランと似たような造りだ。

吉野家3(澤田オフィス提供)

だが面白いことに、ドンブリのデザインは日本と同じである。インドネシア人にとって、ああいう形の陶器は珍しいものだ。

そもそも陶器を使う習慣はインドネシアにはあまりなく、見かけるのはせいぜい平皿とスープ皿とカップくらいである。

しかも、それらは絵柄のないシンプルなものが殆どだ。だから、吉野家のあのドンブリは、とてもお洒落なものに映るらしい。

また、インドネシアは箸文化圏ではない。中華料理や日本料理の影響で箸を使う機会は増えているものの、普通はスプーンとフォークを使って食べる。

牛丼の場合はフォークでご飯を掻き上げてスプーンですくう、という具合に。こうした細かい部分を観察しても、日本との差異が明確だ。