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トヨタが将来の水素社会に組込む「FCVコンセプトカー」を提案

移動体として広大な室内空間を確保

FCスタック(燃料電池)を左右のフロントタイヤ間に配置、水素タンクはリヤシート後方に搭載されており、動力系にはインホイールモーターを全輪に採用している。

TOYOTA_FCV_PLUS
source:http://newsroom.toyota.co.jp/

 

機能部品を車体の前後に集約、四隅に車輪を配置することで、コンパクトなボディサイズにも拘わらず、3,000mmという余裕のホイールベースを確保、ゆったりとした室内空間と最適な重量バランスを実現している。

インテリアには、軽さと剛性を両立する3次元立体骨格構造を採用、先進的なイメージを演出している。

TOYOTA_FCV_PLUS
source:http://newsroom.toyota.co.jp/

 

来るべき水素社会のインフラに組込む

同社が『FCV PLUS』でテーマとしているのは、移動するためだけに水素エネルギーを消費するのではなく、社会に分散する“電源”の役割を持たせること。

近い将来、水素エネルギーの“地産地消”が進むことを前提に、FCVを単なる“エコカー”ではなく、自らエネルギーを地域に供給する“エネカー”へ移行させることを想定しているのだ。

具体的には「地域産の水素で発電」、「発電機能を地域で共有」、「後々も発電機として利用」の3つの使命を併せ持たせている。

TOYOTA_FCV_PLUS
source:http://newsroom.toyota.co.jp/

 

搭載された水素タンクに加え、地域で生成され蓄えられた、車外の水素からも直接発電が可能で、自宅や移動先でも安定した電力の供給源として機能する。

また駐車中など、移動手段として利用していない時は、社会インフラの一部として発電機能を地域で共有。

移動体としての使命を全うした後も、FCスタック(燃料電池)を発電装置として再利用することで、地域社会のエネルギー源として貢献する。

つまり、FCV最大の特徴である“発電装置”としての有用性を、今後の水素社会のインフラに組み込もうという、壮大なテーマを具現化した一台となっているのだ。

 

【参考・画像】

TOYOTA、第44回東京モーターショー2015に、クルマの新たな可能性を追い求めたコンセプトカーを出展 – TOYOTA Global Newsroom

TOYOTA FCV PLUS – TOYOTA Global Newsroom

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