国内自動車各社がPHV開発を加速させる
続いて国内自動車メーカーの動向を見てみよう。
三菱自動車のSUV『アウトランダーPHEV』は、欧州の方が補助金などが充実していることもあり、昨年度の販売で日本の販売台数を上回っているそうだ。
また新聞報道によるとホンダは16日、PHVを北米で2018年から販売する方針を明らかにしたようで、PHVを次世代エコカーの“当面の主役”に据え、日本を含めた世界中で発売していくとしている。
「ガソリン車に一番近く、犠牲を払うことなく置き換えられる」ことをその理由としてあげている。
同社が、トヨタの『MIRAI』に続いて来年3月までに発売を予定しているFCVでは、電動系部品をPHVと共通化することで、コストを抑える方針のようだ。

ホンダもトヨタと同様にFCVを“究極のエコカー”と位置付けている。
ただ、水素供給ステーションなどのインフラ整備に時間がかかるため、FCVの本格普及は2050年頃と想定しているようで、当面、主力市場の米カリフォルニア州で環境規制がより厳しくなる2018年においては、PHVで対応する考えと言う。
同社が“エコ”と“走り”の両立を目指している点では欧州勢と共通しており、今後もスポーツカーの開発にも力を入れていく考え。
急速充電器の設置数が全国で5,500基超えに
対するトヨタは12月初頭に『新型プリウス』の発売を控えており、来秋にはモーター走行距離を倍増させた『プリウスPHV』の導入を予定している。

同社は先頃、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして、『トヨタ環境チャレンジ2050』を発表。
CO2排出量を2020年に22%以上削減、2050年に90%削減(2010年比)する方針で、2050年までに現在の販売台数の大半を占めるガソリン/ディーゼルエンジン車をHV 、PHV、FCVなどの次世代車に切り替えるとしている。
FCVのみならず、市場にいち早く投入したPHVについても、性能や価格面で今後さらにエコカーの軸としてブラッシュアップして行く考えのようだ。
折しも急速充電器(CHAdeMO)の設置が国内で5,500基を超えており、PHV(EV含)普及への環境整備が着々と進みつつある。
米カリフォルニア州の排ガス規制においても、2017年からHVがエコカー枠から外されることもあり、各社の動きからはFCV普及までの主役がPHVになるとみてほぼ間違いないだろう。
【参考・画像】
※ ボルボ、自動車の電動化に関する世界戦略を発表 – VOLVO
※ ホンダ、PHVをエコカーの主役に 18年に北米で発売 – 朝日新聞
※ TOYOTA、新型プリウスに採用される先進技術を公開 – TOYOTA Global Newsroom
※ 「第44回東京モーターショー2015」Hondaブース出展概要について ~「The Power of Dreams」をコンセプトに独創的なモビリティを出展~ – HONDA Media Website
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