IT/テック

アフリカの無電化地域を「IT×ソーラー」で変えていく

■1:決済に使われるのがすべて携帯電話

ひとつは決済に使われるのがすべて携帯電話という点だ。アフリカでは電気の通っていない無電化地域でも、携帯電話は7~8割もの多くの人に普及している。

そしてその携帯電話で決済のできるのが『エムペサ(M-PESA)』という電子マネーサービスだ。

銀行の口座やクレジットカードがなくても使えるこのサービスは、あらゆる階層に利用者が広がり、ユーザーは1,400万人とも言われている。

この携帯電話を使った電子マネー決済で、キヨスクオーナーは必要なだけ電力を購入し、携帯電話を充電したり、レンタルのLEDランタンやラジオなどを借しだすことができる。

今まで、何十キロも携帯電話の充電のために遠くまで歩いて行っていた村人が、近くのキヨスクで充電できる。

村人に人気なのがLEDランタンのレンタルだ。

ケロシンのランプよりずっと明るく、臭いや煙もない。子供たちが夜も本を読むことができたり、夜店の店頭でも灯りとして活躍する。

何はなくても灯りがあれば、暮らしが変わる。

キヨスクそのものも電化され、灯りや電気が使えるようになる
source:http://www.wassha.com/

 

 

■2:チャージャーボックスに備わったデジタルグリッド

そしてもうひとつは、チャージャーボックスに備わったデジタルグリッドの技術だ。

これにより各電力変換器(ルーター)にアドレスを付加し、変換動作情報を目的のアドレスに送信した後、動作開始情報を送信する。

つまり、この情報と電力が融合した電力のインターネット化により、電力の量り売りが可能になり、売上などさまざまな情報を収集、管理することができる。

東京大学の阿部力也特任教授が開発したもので、その技術との出会いが『WASSHA』を生み出したという。

「今はタンザニアに拠点がありますが、ここでソーラーキヨスクの売上情報や、発電、蓄電データを遠隔で管理することができます。」

現地に駐在するデジタルグリッドソリューションズの飯沼俊文さんは、デジタルグリッドの仕組みを使うことで将来的には遠隔医療やモバイル・アグリカルチャーなどにも応用できると話す。

デジタルグリッド技術では、顧客情報や市場の情報などさまざまなデータを蓄積することも可能なため、それらを活用してさまざまなサービスやマーケティングをしかけていくことができるのだ。

「新しいマーケットにゼロから市場を作れるのは刺激的」と話す飯沼俊文さん
source:http://www.wassha.com/

 

将来的にはさまざまな応用が可能なシステムだが、今は毎日、ローカルスタッフとアフリカの農村地域のキヨスクに営業に行く毎日だという。

現在、タンザニアを中心に約100ヶ所を超えるソーラーキヨスクを開設した。

今後はスタッフも増やして、独立型の電化拠点の拡大を加速させたい意向だ。

拠点が増えるにつれ、この技術を使ってさまざまなサービスが生み出されるだろう。

まずはコミュニティに電気を。アフリカの大地を走り回る彼らを待っている人たちが今日もいるはずだ。

 

【参考・画像】

デジタルグリッドソリューションズ

※ WASSHA

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