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いまさら聞けないAI(人工知能)のさまざまな誤解

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AIサイエンティストが社会問題も解決?

ところで『汎用人工知能』ができると、どんなメリットがあるんでしょうか?

山川先生、

<まずは、多用なものに対応できるものを安く作れる、ということですね。

『汎用人工知能』ができてすぐの段階では、今まで人間が設計していたところを機械が学習するということなので、性能自体は人間が設計したものの方が高い。

ただ、だんだん学習する方も調子が上がってくるから、「ちょっと性能は低いけど、そこそこ使えるよね」みたいなものが、いろんな分野で出てくる。

例えば、いろんな部屋の形や置いてある家具などを回避する方法を、全て最初から対応したお掃除ロボットは作れない。もし、作れてもコストがかなりかかる。

それを『汎用人工知能』ができれば、いろんな部屋ごとに自動で学習し対応するものを作ることができます。そうすれば、コストを抑えながら、いろんな問題解決(この場合、いろんな部屋への対応)ができるようになる。

複雑な機構のロボットや大規模なロボットを作る場合も、制御などの設計コストを落とせますし、災害救助ロボットでは、作業中に障害物に止まったりしないよう学習できるロボットができますよね。

要は、自分で世界に興味を持って、動き回り、いろんなことを試したり、考えたりしてくれる『自律性』を持ったロボット、いってみれば“お任せ学習機能”がついたロボットですね。

いちから人間が教材を揃えないと学べないようなものでは、とても手間(とお金)がかかる子(ロボット)になっちゃうので>

 

そういったロボットが、徐々にいろんなことを学んでいくと、将来どうなるんでしょうか?

 

山川先生、

<期待できるのは、AIのサイエンティストです。AIが世界を知ることにより、科学者と同じになり、科学技術を進化させる。

例えば、

・医療技術が進歩して病気が少なくなる
・環境問題を解決する方法などを考える
・地域紛争などグローバル問題の対応策を考える
・社会が豊かになる

などといったことが、AIを良く使うことで期待できると思います。>

 

AIが、明るい未来を作るカギになる?!

後編では、汎用人工知能はどうやって作るか? いつできるのか? などについて迫ってみる。

※ 後編はこちら
【最新AIの基礎知識②】山川先生、今ドキの人工知能ってどうやって作るんですか?
https://nge.jp/2015/11/24/post-123686

 

【取材協力】

山川 宏 – ドワンゴ人工知能研究所
1965年生まれ。東京理科大、東京大学大学院での研究を経て、富士通研究所入社。
現在は、ドワンゴ人工知能研究所にて所長を務める。電気通信大学大学院情報システム学研究科客員教授。工学博士。
また、人工知能学会の副編集委員長にして汎用人工知能研究会主査。
専門は、人工知能、特に、認知アーキテクチャや概念獲得。

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