FPSは「生活の指標」
先日、『カウンターストライクオンライン』というタイトルのFPSの国際大会が開催された。
場所はインドネシアの首都ジャカルタである。
この国でオンラインFPSの国際大会が開かれたということは、非常に大きな意味合いを含んでいる。というのもインドネシアは“インターネット速度が遅い国”として長らく知られていたからだ。
普段、インターネットとあまり関わりのない人にはピンとこないかもしれないが、経済成長が見込まれている新興国においてネット速度の充実は政治課題である。
例えば、日本の高度経済成長期は1960年代にあたるが、その頃の“豊かになっていく生活の指標”は家電製品だった。テレビ・洗濯機・冷蔵庫のいわゆる“三種の神器”だ。
だが、2010年代に経済成長を遂げている国の場合は、家電製品よりも先にインターネットがある。ミドルクラス以下の人々は、冷蔵庫よりもネット通信の費用に可処分所得を投じる。
そのような環境で生きる市民にとって、“豊かになっていく生活の指標”はネット環境の充実に他ならないのだ。
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