リゾート開発と環境保護
バブル期のリゾート開発は、地元の自然環境との調和を無視したものが殆どだった。
大きく広いホテルには大宴会場があり、カラオケがあり、レストランがあり、温泉があり、スイートルームがある。もちろんそれらの要素を求めるのは悪くないことだが、問題はそうした施設を量産するために土地特有の景観を破壊していたという点だ。
インドネシア人は、日本の自然を堪能したいと考えている。春夏秋冬それぞれ色の違う木の葉と山々の表情、海辺の風景、そして桜。繰り返すが、彼らにとっての日本は“夢の桃源郷”なのだ。自然破壊が進み、見渡す限り人工物ばかりのリゾート地は桃源郷とは言わない。
我が国日本は国土の7割が山地で、しかも亜寒帯から亜熱帯にかけての区域に伸びている。広い海岸線を有し、国土の中に特徴的な盆地やカルデラがある。降水量にも恵まれ、1年のうちの寒暖差も大きい。こんな珍しい自然条件の国は、他に存在しない。
「リゾート開発と自然環境保護は相反する要素だ」という言葉は、我が国の豊かさを知ろうともしない人間の言い訳に過ぎない。
日本の自然環境が海外の市民を惹きつけ、それが巨大なビジネスになっているという現状がすでにある。
これからの旅行業界が目指す先は、もはやはっきりと目視できるのだ。
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※ Galyna Andrushko / Shutterstock
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