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アナログ媒体重視する日本の通信事情に世界が注目、ファックスは不滅か?

「印鑑の国」日本

筆者は商業ライターとして生計を立てている。これでも“澤田オフィス”という名の事業所を静岡市内に持っているが、同時に年の半分ほどは海外住まいだ。

だがそうであるにもかかわらず、日本国内の企業との様々なやり取りの中で、捺印書類を求められることがある。だから世界のどこにいようと印鑑は手放せないし、捺印書類だから紙に出力した状態で郵送しなければならない。

そう、日本は“印鑑の国”なのだ。それを忘れてはいけない。

そもそも印鑑を普及させたのは、戦国時代の大名と言われている。織田信長の愛用した「天下布武」とあしらわれた印鑑は有名だ。

これは大名があらゆる政策決定を打ち出すのに、効率性をもって対応しなければならないという事情があった。だが現代では、印鑑が効率性を削いでいるという側面がある。

しかし、どんなに愚痴を言ったとしても、日本社会では印鑑なしには生きていけない。

つまりBBCの記事に触発され「やり取りの全てをデジタル化しよう」と叫んだところで、印鑑の存在が真っ先に立ちはだかる。