しゃべっているのはだれだ?
現在よりも若いトム・ハンクス、年老いたトム・ハンクスが、現在のトム・ハンクスとまったく同じ表情でインタビューを受ける。
『ロード・オブ・ザ・リング』でガンダルフを演じたイアン・マッケランが、007シリーズでジェームズ・ボンドを演じているダニエル・クレイグとまったく同じ表情で会見する。
オバマ大統領がジョージ・W・ブッシュ元大統領とまったく同じ表情で演説する。
本人をスキャンする必要はない
これはワシントン大学のグループが発表した技術だ。
この技術を使えば、任意の人物のさまざまな表情の写真を使って、それをもとに“表情をコントロール可能な”3Dモデルを作れてしまうという。
有名俳優のように、様々な写真があれば、改めて本人をスキャンすることなく可能だ。
それどころか、ほかの人物の顔の動画をもとにして、その3Dモデルに同じ表情をさせることができるというのだ。
この技術が進めば、例えば美男、美女ではあるけれど、演技に難のある俳優の表情をドラマティックに改変してしまうことも、容易になるだろう。
一般の方がどれほど認識されているかはわからないが、メディアで使われている静止画は、色あい、明るさなど、多少なりとも調整しているものが多い。デジタルカメラというのは、そもそも撮る段階でも調整することが前提なので、『無加工』という概念はナンセンスなのだ。
場合によっては、写ってしまったゴミなどを消すこともある。自動車のカタログ写真なんて、合成が基本だ。もっともそういった加工はフイルム時代からある程度行われていたのだが。
それと同様に、動画もどんどん加工ができるようになっている。
映像に関しても、なにが『真実』なのか、なにが『実写』なのか、どんどんあいまいになっていくかもしれない。
果たして、誰もが“銀幕の主役”になる時代は訪れるのだろうか。
【参考・画像】
※ What Makes Tom Hanks Look Like Tom Hanks
※ tommaso lizzul / Shutterstock
【動画】
※ What Makes Tom Hanks Look Like Tom Hanks – YouTube
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