素材内部まで強化
あまりカメラに詳しくない方のために説明しておこう。通常、一眼レフカメラのレンズには、フィルターを装着することができるようになっている。
それで写真に色をつけたり、シャをかけたりと、光学的な効果を持たせることができるのだが、特に効果を出したいわけではない場合でも、保護フィルターをつけるのが一般的だ。それは高価なレンズ本体を守るためだ。
従来、高強度保護フィルターと呼ばれるものには、化学強化ガラスが使われていた。これは化学処理によって表面を強化したものだ。
ところが、今回シグマが発表した保護フィルターは、クリアガラスセラミックという素材だ。
これは、ガラス内部に、スピネルと呼ばれる鉱物の一種の微結晶を、熱処理によって析出させることで、素材内部まで、まんべんなく均一に強化するものだという。
これによって、化学強化ガラス以上の硬度と、サファイアクリスタルガラス以上の柔軟性をあわせもつ素材になっている。
また、キズが入った場合も、ヒビが入りづらい特性を備え、ガラスが飛び散る可能性を低減しているという。
下の写真は、従来のプロテクター(上)とクリアガラスセラミック(下)の比較だ。


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