まずはディーゼル車の規制が始まった
そこで、焼け石に水かも知れないが、デリー首都圏政府は、来年の1月1日から15日間、平日の午前8時から午後8時まで、市内を走行できる自家用車を、ナンバー末尾の数字が、偶数の日と奇数の日で交互に制限することを発表した。
また、夜間のトラック乗り入れも禁止する方針だという。
ところがニューデリーでは、公共の交通手段が充実しておらず、地下鉄もバスも既に不足しているため、連日乗客で溢れかえっているのだ。
そのため、自家用車の走行を制限した分を、公共の交通機関では補えないため、無責任な対策だと批判されている。
また、ディーゼル車の燃料価格を上げるという案や自動車税、さらに駐車場料金を上げるといった案も出ているようだが、国民の理解を得るのは難しそうだ。
これほど、ディーゼル車は悪玉になっている。
他にもインドの最高裁は16日に、デリー首都圏とその周辺で運行しているタクシー(約8万台)の、実に7割を占めると言われているディーゼル車を、2016年3月末までにCNG(圧縮天然ガス)車に切り替える命令を出した。
これは業界にとっては無茶振りだ。所有車を急いで買い換えねばならない(もっともメーカーにとってはボーナスだが)。
まだある。最高裁は排気量2,000cc以上のディーゼル車の登録を、2016年1月~3月の間は禁止するとし、製造後10年以上のディーゼルトラックの通行も禁止するとした。
インドの大気汚染を改善するには、かなりの劇薬が必要になりそうだ。
【参考・画像】
※ 大気汚染が「世界最悪」の都市は? インド、PM2.5対策躍起 – 朝日新聞デジタル
※ grynold / Shutterstock
【関連記事】
※ インドネシアのレジ袋有料化は、ゴミ削減と自然環境回復の足掛かりとなるか?
※ これぞ、発想の転換!? 大気中から二酸化炭素を集めて活かすアプローチとは?
※ 「COP21」が今ひとつ話題にならないのは世間が冷静である証拠?