利便性の追求でIoTはグッと広まる
橋場氏、
<そういった意味では、先程紹介したデザイナーさんのような人も、もっと増えて欲しいですね。そうなれば、クロスオーバー的イノベーションも増えてくる。
あと、女性的な視点も欲しい。例えば、食洗機は女性のアイデアで生まれたものなんです。男性は、ややもすると機械が好き過ぎて、周りが見えなくなる場合がある(笑)。
それに対して、女性は、生活に関連するものに関して嗅覚がかなり鋭い。
何かを「便利にする」というのもIoTの重要なファクターだと考えると、女性目線は大切。女性がアイデアを出して、男性がそれを作る……そんな組み合わせがあってもいいですね。>
岡島氏、
<これは直感ですが、世の中の人は、ざっくりと2つのタイプに分けられると思っています。 “操作したい人(1)”と“利便性だけ欲しい人(2)” です。
前者(1)は、新しいスマホを買ったら、とにかく全ての機能を試すタイプ。後者(2)は、自分が必要なアプリの使い方だけわかればいいタイプ。できれば、誰かに使い方を教えてもらいたい、とも思っているかもしれません。
IoTは、後者(2)との親和性が高いと思います。よくあるケースとして「電源を入れて置いておけばいい」のなら「使ってもいい」となる。
で、この「置いておけば勝手に動き出して便利な機能を提供してくれる」というくらいの「もてなし感」が、IoT普及のカギですね。>
橋場氏、
<多機能型の時代は過ぎ去ろうとしているのは確かですね。 スマホなんかも、操作は割とシンプルになって来ていますし。
だんだんと、省けるものは極力省くような傾向になってきています。それでも、組織が大きく、いろんな人が関わっている大企業の場合は、「全部入りにしないと売れないのでは?」と考えがち。
一方、小さいチームで動くスタートアップは、一点突破で、特定の機能に特化したものを作る傾向があります。
どちらがいい悪いではなく、これからは、そういった組織の違いで、作るものが変わってくるかもしれないですね。>
<【未来探訪#008】に続く>
【取材協力】
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