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革新的ロックスター、故デビッド・ボウイに学ぶ「インターネットとアーティスト」

インターネットの将来を見据えていた

デビッド・ボウイは既に1998年、自身のインターネット・サービス・プロバイダである『BowieNet』を創設している。といっても、AOLやProdigy OnlineのようなISPと競合するようなものではなかった。

しかし、まだ『MySpace』(2003年)や『Friendster』(2002年)、そして『Facebook』(2004年)が登場するよりも早く、インターネット上のコミュニティーを作り上げたのだ。

そして、現代でも古さを感じさせない手法によって、アーティストとリスナーの接点を作った。

しかも彼は、1996年には『Telling Lies』という新曲をオンラインでリリースするという試みを行っていた。

まだ、ブロードバンドや常時接続と言ったサービスが始まる以前のことだ。

しかし、『Telling Lies』は30万ダウンロードを記録している。

 

『BowieNet』が始まった頃、“インターネット1.0”と呼ばれるナローバンド時代は始まっていたが、“インターネット2.0”と呼ばれるブロードバンドの時代は、まだ2002年頃を待たねばならなかった時代だ。

しかし、彼は2000年のニューヨークタイムズでのインタビューで既に、将来のユビキタスやストリーミングの時代を予感させることを発言していた。

<Music itself is going to become like running water or electricity.>

 

「音楽は水道や電気のように(消費されるように)なるだろう」と語っていたのだ。なんという先見性だろう。

そして彼は、インターネットの進歩と音楽配信の変革を予見しただけではない。

 

音楽の「証券化」

金融業界にも新風を吹き込んでいた。自身の作品における将来の著作権使用料を担保した『ボウイ債』を発行したのだ。つまり、音楽のロイヤリティー収入を証券化した初めてのアーティストでもあった。

この1997年の『ボウイ債』の発行で、5500万ドル(約64億8300万円)の資金を調達している。

『ボウイ債』の後、ジェームス・ブラウンやロッド・スチュワート、アイアン・メイデンなどといった超有名アーティストたちも同様の証券を発行している。

この『ボウイ債』は画期的で、後に資産担保証券という急成長市場のきっかけとなっている。

つまり、デビッド・ボウイは音楽やファッションなどの芸術において画期的だっただけでなく、インターネットや金融においても、革新的な存在感を示していたのだ。

 

デビッド・ボウイは、2016年1月10日、癌との闘病の末、永眠した。

 

【参考・画像】

※ David Bowie Was an Early Internet Entrepreneur – MIT Technology Review

※ LeviQ /  Shutterstock

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