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「激安」に隠れた無理なコストダウンとしわ寄せ、スキーバス事故から得られる教訓とは

事故の教訓は何か

以上は、本稿執筆時点で見えてきた問題点の一部だが、今後まだまだ出てきそうだ。

今回の事故は、業者の参入に対する規制緩和が原因だと見る向きがある。

確かに規制緩和による競争激化が、更なる低価格化を呼び、安全性を犠牲にしている面があるかもしれない。

そうなると、事故の遠因には日本の経済状況や経済政策にもあると言える。

しかし、既に述べたように、参入規制が緩和されたとしても、国は安全性が犠牲にならないように法定基準を設けるなど、幾つもの義務を業者に課している。

そうなると、今回の事故から得られる教訓としては、「法令違反に対してより強制力がある処分を行うこと」かもしれない。

例えば、文書警告に留まっている行政処分を、営業停止処分などにするなどだ。

 

また、国土交通省は「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」という悪質業者の情報を公開しているが、旅行会社が顧客に対してバス運行会社を明示していないため、顧客はこのサイトを活用できない。

これに対しては、旅行会社が、使用しているバス運行会社が行政処分を受けていないかどうかを、顧客に明示する責務を負う仕組みを用意することも、検討すべきかもしれない。

負担すべきコストをないがしろにしてしまうと、安全性を身に危険を及ぼすことを思い知らされる事故となった。

 

【参考・画像】

※ 国土交通省ネガティブ情報等検索サイト – 国土交通省

※ leonardo2011 / Gajus – Shutterstock

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