危険運転の動画をクラウド管理
そんな中、このようなクラウドサービスが2月にリリースされる。
車両の走行データを一括管理するオンラインシステム『WEBドラサービス』だ。
これは専用ドライブレコーダーを車両に搭載し、突如発生した危険運転の動画を自動的に録画するというものである。急加速、急ハンドル、急ブレーキなどの異常を即座に探知し、その走行動画をクラウド管理するのだ。

軽井沢の事故では、予定とは違う走行ルートをドライバーが選択していた。運行会社はそれを知らなかったというが、本当のところは「何となく知っていたが気にかけなかった」というのが実情であろう。
『WEBドラサービス』は、そうした杜撰極まりない運行管理を許さない。走行ルート、速度、運転時間などを日報化してくれるのだ。

このサービスを提供するのは、株式会社タイガーである。かつては手回し式の『タイガー計算機』を製造していた、あのタイガーだ。
現在は、運送管理システムや車載器を手がける会社として知られている。
走行データ管理は企業の義務
軽井沢の事故車両は、ドライブレコーダーを搭載していなかった。それどころかドライバー台帳すらなく、運行日報の業務終了欄には、最初から印鑑が押されていたそうだ。
だから、事故から一週間が過ぎてなお直接の原因が判明していない。会社が管理するべきデータが存在しないからだ。
「今日も無事にお客様を目的地まで送り届けました」ということを、出発前から口にする。ドライバー自身が「事故が起きたらどうするんだ」とは、決して言えない状況にしてしまう。
結局、こうした悪しき慣習と態度が、最悪の結果を招いたのではないか。
一般ユーザーが求めているのは、謝罪会見の際に社長が頭を下げるシーンではない。土下座をするシーンでもない。「なぜ事故が発生したのか」ということを明確に示すデータだ。
データの管理と分析こそが、次なる事故を防止する、不可欠の手段なのだ。
【参考・画像】
※ 危険な運転動画を即座にお知らせ! 通信型ドライブレコーダー危険運転動画閲覧・確認システム 「WEBドラサービス」を2月10日にリリース – @Press
※ wavebreakmedia / Shutterstock
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