水素製造プラント用の大型を作りたい!
--大型の風力発電機は、どのようなものへの活用を考えているのでしょうか?
清水氏、
<水素製造プラント用として使えるものを作りたいですね。
水を電気分解して作ることができ、燃やしてもCO2が出ないということで、今かなり注目されているクリーンなエネルギーが“水素”。電気は溜めることが難しいけれど、水素は溜められますしね。
でも、現状では水素を大量に作る材料として、化石燃料が使われています。それでは、意味がない。
CO2の排出量を抑え、“本当の意味でクリーンな再生可能エネルギー”としての水素を作る手段として、風力発電は十分に期待できます。
これを2050年までにやりたい。それが真の夢ですね。>

まずはロスを減らすのが課題
なかなか壮大な夢だが、そのためにはまず、今年夏に予定している沖縄での実験が注目だ(前回記事参照)。

清水氏、
<今の風洞実験機は、実は自己消費電力が大きいんです。円筒翼にモーターを搭載し、自転させているのですが(前回記事参照)、今の構造だと自分自身で電力をかなり食ってしまってトータルの発電量が小さくなってしまう。今後の課題ですね。
いずれにしろ、実用化までには“普通の風”でもちゃんとトータルで発電ができるようにして、設備稼働率を上げたい。それに加えて、台風でも発電できれば、台風は“書き入れ時”になる。ボーナスのようなものです。
発電効率だけを比較すると、今は『プロペラ式風力発電機』の方が高いんですが(40%程度)、これは台風などに弱い。
『垂直軸型マグナス風力発電機』が実用化できれば、設備利用率はプロペラ式より高くなるはずです。いずれは、発電効率と設備利用率の両方で勝ちたいですね。>
下町から世界へ!
新たな再生可能エネルギーという、大きな課題に挑むチャレナジーの挑戦(チャレンジ)は始まったばかり。
今後の活躍に期待したい。
※ 後編に続く
【未来探訪#010】下町風力発電のチャレナジー清水社長、真の夢は「風力から水素を!」
https://staging.nge.jp/2016/02/08/post-131154
【取材協力】
【参考・画像】
※ 世界初!台風エネルギーを電気に変える『台風発電』に、チャレナジーが挑戦! – Makuake
※ Sergio Bertino / Shutterstock
【動画】
※ チャレナジー事業紹介_20160115 – YouTube
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