IT/テック

【未来探訪#010】下町風力発電のチャレナジー清水社長、真の夢は「風力から水素を!」

水素製造プラント用の大型を作りたい!

--大型の風力発電機は、どのようなものへの活用を考えているのでしょうか?

清水氏、

<水素製造プラント用として使えるものを作りたいですね。

水を電気分解して作ることができ、燃やしてもCO2が出ないということで、今かなり注目されているクリーンなエネルギーが“水素”。電気は溜めることが難しいけれど、水素は溜められますしね。

でも、現状では水素を大量に作る材料として、化石燃料が使われています。それでは、意味がない。

CO2の排出量を抑え、“本当の意味でクリーンな再生可能エネルギー”としての水素を作る手段として、風力発電は十分に期待できます。

これを2050年までにやりたい。それが真の夢ですね。>

 

shutterstock_156176498
source:http://www.shutterstock.com/

 

まずはロスを減らすのが課題

なかなか壮大な夢だが、そのためにはまず、今年夏に予定している沖縄での実験が注目だ(前回記事参照)。

th_1H3A7695
Photo:Naoki Hiratsuka

 

清水氏、

<今の風洞実験機は、実は自己消費電力が大きいんです。円筒翼にモーターを搭載し、自転させているのですが(前回記事参照)、今の構造だと自分自身で電力をかなり食ってしまってトータルの発電量が小さくなってしまう。今後の課題ですね。

いずれにしろ、実用化までには“普通の風”でもちゃんとトータルで発電ができるようにして、設備稼働率を上げたい。それに加えて、台風でも発電できれば、台風は“書き入れ時”になる。ボーナスのようなものです。

発電効率だけを比較すると、今は『プロペラ式風力発電機』の方が高いんですが(40%程度)、これは台風などに弱い。

『垂直軸型マグナス風力発電機』が実用化できれば、設備利用率はプロペラ式より高くなるはずです。いずれは、発電効率と設備利用率の両方で勝ちたいですね。>

 

下町から世界へ!

新たな再生可能エネルギーという、大きな課題に挑むチャレナジーの挑戦(チャレンジ)は始まったばかり。

今後の活躍に期待したい。

 

 

※ 後編に続く
【未来探訪#010】下町風力発電のチャレナジー清水社長、真の夢は「風力から水素を!」
https://staging.nge.jp/2016/02/08/post-131154

【取材協力】

清水 敦史 – チャレナジー

【参考・画像】

※ 台風発電 – チャレナジー

※ 世界初!台風エネルギーを電気に変える『台風発電』に、チャレナジーが挑戦! – Makuake

※ Sergio Bertino / Shutterstock

【動画】

※ チャレナジー事業紹介_20160115 – YouTube

【関連記事】

※ 日本発ペロブスカイト太陽電池に米大学が挑戦状!ハイブリッド構造で発電効率向上

※ 蓄電こそが世界を救う?「フロー電池」を6割もコストダウンできる技術が登場

※ 水素ステーションが足りない!規制緩和とFCV普及への道のり

※ トヨタが将来の水素社会に組込む「FCVコンセプトカー」を提案

※ 【未来予想図2050】トヨタの「2050年の未来」に向けた6つのチャレンジ、PHV・FCV・EVの時代に