船の帆から着想した、ブレードのない風力発電機
アフリカ北部チュニジアで2011年に創設された『Saphon Energy(サフォン・エナジー)』は、船の帆から着想を得た、ブレードのない風力発電機を開発したことで知られている。
いわずもがな、船は、帆が受ける風の運動エネルギーを力学的エネルギーに変換し、そのエネルギーを動力源として、航行している。
では、このメカニズムを風力発電に応用すると、どうなるのだろう。
『Saphon Energy』が開発した曲線状の大型ディスクが、風からの圧力や振動を最大限にとらえ、風に押されることで前後に振動。
この振動がピストンを動かし、風の運動エネルギーが力学的エネルギーに変換される。さらに、ピストンは油圧システムと連携しており、油圧によって、力学的エネルギーから電力に変わる仕組みだ。

この風力発電機は、騒音や低周波を発することなく、ブレードに鳥が巻き込まれることもない。
また、一般的なものに比べて約2倍のエネルギーを発電でき、製造コストを約50%軽減できるという利点もある。
マイクロソフトも支援
『Saphon Energy』の開発成果は高く評価され、2014年2月には、アフリカの経済発展を支援するイニシアチブ『4Afrika Initiative』を通じて、マイクロソフト(Microsoft)とパートナーシップ契約を締結。
『Saphon Energy』は、マイクロソフトからの資金援助や技術支援のもと、グローバル市場への進出に向けて、さらなる取り組みをすすめている。
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