
クリーンエネルギーならぬグリーンエネルギー?
クラウドファンディングのIndiegogoに登場して目標額を余裕でクリアするほどの支持を得たのは、植木鉢型の発電装置『Bioo Lite』だ。
一見、地味で小さな植木鉢だが、この植木鉢が植物の光合成を利用して発電すると言うから驚く。
生み出せる電力は小さいが、スマートフォンやタブレットの充電には十分使えるというから実用性もあるのだ。
観葉植物を育てたり鑑賞したりしながら、モバイルデバイスの充電ができるのは楽しそうではないか。
植物を育てながら、電力を得るという発想
『Bioo Lite』の使い方は簡単で、植物を植えておけば良い。
後は必要な時に、鉢植えに備えられた小石型のUSBコネクタに、充電したいデバイスのUSBケーブルを差し込むだけで良い。
最初のセッティングも非常に簡単になっている。
USBコネクタが濡れないように鉢の外側に引き出しておいてから植木鉢に水を入れ、他の鉢に植えてあった植物を土ごと移し入れてあげれば良い。

植物は好きな種類で構わない。光合成さえすれば良いからだ。
メンテにも手間がかからないように、水が入るタンクは耐水性の自動灌漑システムになっている。
『Bioo Lite』のサイズも高さ21センチ、幅と奥行きは11センチと手頃なため、置く場所にも困らない。
見た目はただの鉢植えなので、本当に発電するのか心配になるが、3.5Vで0.5Aの出力ということで、スマートフォンなら1日に2~3回充電可能だという。
また、光合成自体で発電するわけではないため、夜でも充電は可能だ。
光合成を利用した静かでクリーンなエネルギー
ではどんな仕組みなのだろうか。
『Bioo Lite』内には無酸素室があり、そこにバイオマス床がある。ここで植物が光合成を行う事で根から輩出する物質を、嫌気性微生物が摂取することで電子が放出されるという。
その放出された電子を装置の電極が回収し、電力に変換するという仕組みだ。

従って、光合成そのものをリアルタイムで電力に変換しているわけでは無いため、夜間でも充電できるというわけだ。
小さな製品だが、可能性は大きい
『Bioo Lite』の仕組みは、植物に負担を掛けているわけでもなく、環境への負荷もないため、まさにグリーンでクリーンなエネルギーと言える。
もっと電力が欲しいという人向けには、より大型(100×100×25センチ)の『bioo panel』という製品も開発されている。こちらは最大40wを発電可能だ。

クラウドファンディングでは、本稿執筆時点で19日のキャンペーン期間を残しながら、586%もの資金を調達できている人気振りだ。
『bioo panel』自体は小さな発明品だが、植物の光合成を利用した発電を実用化したという意味では、新しいエネルギー獲得の可能性を示してくれているように感じる。
【参考】
※ Bioo: Charge your Phone with the Power of a Plant | Indiegogo