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太陽光による発電で電力が利用できるコンセントプラグ

コンセントにさしこむだけで、太陽光発電による電力が使用できるという新機具・「Sunport」が発売され、本国のアメリカで話題となっている。これは一種のアダプターで、簡単にいうと、ソーラーパネルを取りつけている発電所や、所有する個人宅などで収集した太陽エネルギーを購入するためのデバイスだ。
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 個人宅などで収集した太陽エネルギーを購入

使用法も簡単である。「SunPort」をまず、自宅の壁のプラグに取り付ける。そして、使用したい家電のコンセントを、「SunPort」に差し込んでおくだけ。使用家電量は専属アプリを通じてモバイル末端で算出されるので、必要とする電気量エネルギーを清算して購入する(支払う)というわけだ。太陽光を使用し、省資源を最大限に可能にする新デバイスとしてヨーロッパ諸国でもネットを通じて紹介され、注目を集めつつある。

開発先であるSunport@Plug.Solar社のミッションは、気軽に誰でも太陽光発電を利用してもらえるようになることだという。この新デバイスを世に送り出すためには、クラウドファウンディングによるキャンペーンによるところも大きい。そのおかげで現在、この「Sunport」はアメリカ全土にソーラーパワーの価値をアピールし、なおかつ省資源を叫ぶための重要な広告塔としての役割を果たしているともいえるだろう。

 

太陽光線エネルギー再利用への関心

「Sunport」が利用する太陽エネルギーは、太陽光線システム利用の分野では、先駆的存在ともいえる北欧製の太陽電池モジュールを利用している、ソーラーファーム(太陽光発電所)や(委託した一般家庭)で収集されたものである。アメリカでは1990年代、太陽光線はもちろんのこと、再生可能な自然エネルギーを、いかにして効率よく得て利用するかに関心が高まり、再生可能エネルギー産業も急成長を遂げてきた背景を持つが、このSunport@Plug.Solar社もその一端を担うかのごとく、画期的なデバイスを紹介たというわけだ。

 

「Sunport」に関するFAQ

しかし、「これって、どういう仕組みになっているの?」「使用することによって、電気代が安くなるの?」などなど、「Sunport」に関して、人びとが疑問に思うであろう質問と返答を以下に挙げていこうと思う。

ソーラーパネルをつけていないのに、太陽光が利用できるのはなぜ?

ソーラーパネルを自分で利用していなくても、太陽光を間接的に利用できるのがこの「Sunport」のウリである。簡単に説明すると、ソーラーパネルを利用している一般人、あるいは太陽光発電所に集められた太陽エネルギーを購入し、「Sunport」を介して使う、ということになる。

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「Sunport」を使うことによって、電気代が安くなるメリットはある?

残念ながら、現在のところそのメリットはない。しかしこの「Sunport」を使うことによって、電気代がさらに高くなることもない。安くも、高くもならず、平行線をたどると思われる。というのには理由がある。一般家庭はもちろん、太陽光発電所をはじめ、ソーラーシステムの維持費は高額であり、ソーラーパネルを利用する見返りとして充分なメリットが得られないのが現状なのだ。

しかし、こう考えたらどうだろうか? 「Sunport」が開発された背景には、省資源というモットーがある。このモットーをフォローするライフスタイルとはいったい、どんなものなのかが、実際に体験できるのがこの「Sunport」なのだ、と。したがって、地球の未来のために、自分も自然の恩恵をうまく利用しているのだ、と考えてもらえるのならば、目先の損得を気にせず、気軽に利用してもらえるのではないだろうか?

 

「Sunport」をプラグに差し込んだとき、「太陽光を利用している」かどうか、調べることはできる?

「Sunport」には、「SOLAR」と表示されたランプがついている。コンセントにはめると、このランプがまずグリーンに輝き、そのあとで青く変化するが、これは「太陽光を利用中です」というサインである。この緑色と青色のランプが継続して光っていれば、それは太陽光を利用しています、という意味になる。

また、太陽光によるエネルギーが弱くなってきた場合は、ランプがまず黄色に変化し、それに引き続いてライトが消える。最後に赤いライトが灯ると、太陽光はまったく使われていないことになる。

 

「Sunport」とWiFiシステムがドッキングすれば、利用者にとっては簡単にコントロールできると思うが、将来的に実現するのかどうかを知りたい。

今のところ完成には至っていない。しかし、将来的には実現することを視野に入れつつ、開発を進めている。たとえば現在、Bluetoothバージョン制作にローンチしており、スマホから簡単にアクセスできるよう研究が進行中だ。「Sunport」を使ってノマドで仕事を行ったり、大学の講義中に生徒たちが自由にPCが使えたりと、スマホとBluetoothの関係に似かよった方法での展開をお手本とした開発が進められている。

 

風力、水力、いろいろあるが、なぜ、太陽光を利用する発想に至ったのか?

アメリカでは、前述したように太陽光の再利用が、1990年代に入ってからもっとも注目を浴びてきたセクターだった。以下は確実な情報ではないが、太陽光エネルギーは、風力以上にエネルギー供給力があると見積もられているため、社では、敢えて太陽光の利用を思いついた。

 

将来、自分の家に太陽光パネル(ソーラーパネル)をつける予定がある。自宅で集めた太陽光も「SunPort」で使うことができるのか?つまり、「自給自足」は可能になるのか

「Sunport」をハードウェアとして考えた場合、自宅で集めた太陽光を直接利用することはできない。したがって、残念ながら「Sunport」での“自給自足”はできないことになる。

ノマド式の働き方が仕事の選択肢の一つになりつつある今、省資源を念頭に入れ開発された、この「Sunport」の存在は大きいだろう。太陽の恩恵を得、それを実感するためにも最適なデバイスとして日本への上陸が待たれる。

 

【参考】

※ http://sunport.co/