宇宙開発というとアメリカ、次いでロシアという二大巨頭のイメージが強いが、アジアの大国・中国も負けていない。
この動画では中国内陸部の貴州省に位置する現在建設中の球面電波望遠鏡を紹介している。望遠鏡は「FAST」と呼ばれており、大きさは口径500メートル。完成すれば世界最大級規模の望遠鏡となる。
圧巻のスケールは、さすが中国
遠目からみると分かりにくいが、周りに生えている木々の大きさなどから、そのスケールの巨大さを推し量ることができる。
1990年代から始まった本プロジェクト。完成形では4,450枚の三角パネルが一面に敷き詰められる予定だ。また、この望遠鏡を支える天体観測技術として、スーパーコンピューター「天眼」が導入される予定となっており、まさしくこの直径500メートルの巨大な望遠鏡は宇宙を見つめる大きな目玉のようになるだろう。
巨大な一大事業の裏に、地域住民の犠牲も
今年2016年9月に予定されているFASTの完成を前に、付近に住む住民約1万人が立ち退きを迫られたことでも話題を集めた。理由は、望遠鏡の建設地から半径5kmにクリアな電波環境を得るため。
住人には約20万円の立ち退き料が支払われているが、その対応について海外から「宇宙よりも国民の暮らしに目を向けるべきでは?」という意見が集まっている。
幅500メートルにもなる巨大パネルの反射を利用して、100億光年以上離れた場所からの電波信号の探知が可能となるFAST。すでに中国のメディアは「今後、異星人とのコンタクトについて中国が主導権を握れるようになる」と報じているとのこと。
地球外生命体とのコンタクトというと夢は尽きませんが、こうして同じ地球に住む人々の生活がないがしろにされてしまうのは少々疑問かも……?
【参考・画像】
※ World’s Largest Radio Telescope under Construction in SW China