3Dプリンターは、人類にどのような恩恵をもたらすのだろうか。
確かにこの機械には、負の側面もある。3Dプリンターを使って銃を作ろうという動きもあり、これらは懸念すべき現象だ。だがそれはドローンやビットコインなどにも言えることで、「危険性がある」という理由でそれらを禁止するのはナンセンス以外の何ものでもない。
我々の暮らしに3Dプリンターが定着する日は、刻一刻と近づいている。
3Dプリンターによる自動運転車両
Local Motorsが開発したミニバス『Olli』は、運転席のない自動運転車両である。
現在はまだ試験走行の段階だが、すでに専用アプリも開発されているという。このアプリを使い、乗客は進路上のOlliを好きなタイミングでピックアップできる。
また、このOlliのボディーは3Dプリンターで製造されているというのも大きな特徴だ。安全性やコストパフォーマンスが証明されれば、極めて低価格でこのミニバスを量産・運営することができる。
公道試験には大きな壁が……
Olliは最大12人乗りの車両だが、先述のように運転席がないだけ内部スペースはかなり広いという。
また、運行のためのオペレーションシステムはオペレーターが管理することで事故やトラブルを防止できるとしている。
この車両が普及すれば、世界の交通網は革命の時期を迎えるだろう。だが現状はどの国でも法律の壁があり、Olliのようなバスは試験運転するにも当局の許可を得なくてはならない。
我が国日本の場合も、自動運転車両の公道試験に向けて各界関係者が協議を重ねている最中である。だがこれは逆に言えば、「公道で試験をするに至っていない」ということだ。
反発をどう乗り切るか?
Uberが与えた革新は、世界の運輸関係者を刺激するものでもあった。
世界各地でタクシー運転手がデモを起こし、その一部が暴徒化するという事態まで発生している。Olliも「第2のUber」になる可能性は充分にあり、運用が具現化すれば既存業界の反発を呼んでしまうかもしれない。
従ってOlliにとっての今後の課題は、「既存業界との折り合い」になっていくだろう。
【動画】
※3Dプリントの自動運転ミニバス「Olli」、米で試験運行へ 3D printed, self-driving minibus to hit the road in US−YouTube