Source: http://preciousplastic.com/en
プラスチックは、日用品や繊維の原料、包装材など、これまで幅広い分野で活用されてきた。世界経済フォーラムによると、1964年時点で1,500トンだったプラスチックの生産量は、2014年に3億1,100トンとなり、過去50年間で20倍以上も増加している。
その一方で、プラスチックのリサイクル率は、紙や鉄鋼などと比べ、まだ低いのが現状。米ジョージア大学によると、2010年の1年間に、最大1,270万トンのプラスチックが海に流出し、海洋汚染の原因のひとつともなっている。
そこで、プラスチックをリサイクルするためのソリューションをオープンソース化することで、プラスチックのリサイクルを推進しようというイニシアチブが、「Precious Plastic(プレシャス・プラスチック)」だ。
リサイクルシステムをDIYし、不要となったプラスチックを再生
Source: http://preciousplastic.com/en
「Precious Plastic」は、2013年、オランダ南部アイントホーフェンの名門アカデミー「デザイン・アカデミー・アイントホーフェン(DAE)」に在学中だったデザイナーのデーブ・ハッケンス(Dave Hakkens)氏によって創設された。
ハッケンス氏は、手ごろな価格で比較的入手しやすい材料やパーツを組み合わせ、寸断機、押出し機、圧縮機、射出成形機で構成されるモジュール型のリサイクルシステムを独自に開発。
分別されたプラスチックを寸断機に入れると、最適な細かさに裁断され、これを圧縮機で塊にしたり、射出成形機で3Dプリンター用フィラメントにする。
また、「Precious Plastic」では、誰でも、自由にカスタマイズしたり、ダウンロードして、プラスチック用リサイクルシステムを自作できるよう、公式ウェブサイトで設計図をオープンソースとして提供しているのも特徴だ。
オープンソース化によって世界にプラスチック用リサイクル施設が広がる!?
「Precious Plastic」の取り組みは、とりわけ、プラスチックのリサイクル施設が十分に整備されていない発展途上国でニーズが高いと期待されている。
オープンソース化された「Precious Plastic」の設計をもとに、プラスチックのリサイクル施設が効率的に広がっていけば、プラスチックの循環サイクルが世界各地で実現しやすくなるだろう。
【画像・参考】
※ The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics – World Economic Forum