
日本では人気観光スポットとして「ロボットレストラン」が存在するが、今回紹介したいのはすべてロボットが調理してくれる「ロボットキッチン」。開発したのは、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)の学生たちだ。
食材の調理や盛り付け、洗浄まで全自動で、ロボットキッチンの名前は「スパイス(Spyce)」。
スパイスは自動的に材料を量ってポットに入れ、混ぜたり熱を加えたりして調理する(ただし材料は人間がストックする必要がある)。料理をオーダーした人は、キッチンに皿を置いて待っているだけでOKだ。
メニューに合わせて調理のフローや機械の動きも計算されており、出来上がった食事もなかなか美味しそうに見える。
調理が終わり皿に料理が盛り付けられると、使用されたポットは自動的に食器洗い機に移され、きれいに洗浄される。後片付けの手間がないという点は、かなりポイントが高いのではないだろうか。
「ファーストフード=不健康」という概念を覆す
開発したMITの学生たちは、スパイスの開発動機について「ファーストフード=ジャンクフード」という概念を覆そうとしていると語っている。
日本のように外食産業があまり盛んではない海外では、こうした全自動キッチンを利用することで、人間の労力を割きつつ新鮮な食事を低価格で提供できるという点に期待が高まっているようだ。
また、ロボットならば加熱時間や手順なども全自動で設定・厳守できるため、ときに人間のパフォーマンスを超えることも期待できる。また、大きくスペースを取らず従来のキッチンにも十分設置できるサイズというところもスパイスの魅力。
工場で人工肉や野菜を作り、レシピをAIが考案し、調理はすべてロボットが担当する。それらすべてを組み合わせれば、全自動で食糧や料理が供給される日がやってくるかもしれない。
【画像・動画】
※ An Autonomous Kitchen That Will Cook, Serve, And Clean For You