
自動車をバックさせるとき、どうしてもバックミラーやルームミラーでは見えない死角がある。
しかし、多くのドライバーは「バックビューモニターがあれば便利だったなぁ」と車を買ったあとから思うのだ。
ところが、バックビューモニターをあと付けしようとすると、リアカメラを取り付けるにしても、モニターを取り付けるにしても、電源の問題や面倒な配線工事が必要になり、結構大事になってしまう。
そこで、それらの面倒な問題を解決してくれる画期的なバックビューモニターのキットが開発された。
電源確保不要、配線不要、専用モニター不要と徹底的にワイヤレスに拘った『Pearl RearVision』だ。
元Appleのエンジニアチームが開発しただけあって、画期的な製品となっている。
ナンバープレートにフレームを付ければリヤカメラが設置できる
米スタートアップのPearlは、徹底的にワイヤレスに拘り、スマートフォンをバックビューモニターとして使うことができる自動車用バックモニターシステム『Pearl RearVision』を発表した。
まず、リアカメラの取り付けが簡単だ。
自動車の後方ナンバープレートを一旦外し、ナンバープレートのフレーム形状になっている『Pearl RearVision』のリヤカメラをナンバープレートの枠として嵌めて、自動車に取り付け直せば良い。
リアカメラからの映像データはワイヤレスで転送されるため、配線工事は不要だ。その代わり、受信装置であるワイヤレスアダプターをダッシュボード付近にあるOBDポート端子に差し込むだけで良い。
そしてバックビューモニターだが、これは手持ちのスマートフォンを使うので、特別に購入したり取り付け工事を行う必要もない。
エアコンの送風口に付属のキットを取り付ければスマートフォンをバックビューモニターとして利用することができる。
スマートフォンがバックビューモニターになる
もう一手間必要なのは、スマートフォンに専用アプリをインストールすることだけだ。
これでスマートフォンに、『Pearl RearVision』が撮影している自動車の背後が映し出されるようになる。映像データはワイヤレスアダプターからBluetooth経由で転送されるので、やはりワイヤレスを徹底できる。
リアカメラは2つ搭載されており、障害物も検出するため、危険な状態になればアラートで警告される。
また、スマートフォンの画面をタッチすればその部分をズームできるし、ワイド画面にも切り替えられる。

徹底したワイヤレス主義
こうして、徹底的にワイヤレスに拘って開発された『Pearl RearVision』だが、まだ気になる配線の問題が残っていないだろうか。
そう、リアカメラの電源をどこから引き込むのか、という問題だ。
実はこれも解決している。
カメラ用電源は、フレームに搭載されたソーラーパネルから充電する仕組みになっているからだ。1日太陽光を浴びていれば約1週間使用できる。さらにフル充電すれば約1ヶ月使用できる。
本当にワイヤレスに拘った製品であることに感心する。

海外進出が期待される
Pearlは元Appleのエンジニア3人が立ち上げたスタートアップだが、現在では50人規模に増員している。
『Pearl RearVision』は既に9月出荷に向けて予約販売を開始しているが、残念ながら今のところ米国内での販売に限っている。
ただ、このワイヤレスに拘ったバックビューモニターシステムが好評となれば、海外進出も検討されるだろう。
海外進出が楽しみな製品だ。
【参考】
※ Pearl
※ Dozens of Former Apple Employees Team Up to Launch ‘RearVision’ Vehicle Camera – Mac Rumors