
レンチも使わずにボルトを指で回して締めてしまう。
そんな怪力を手に入れられるかもしれないパワードアシストグローブが商品化されようとしている。
アメリカ航空宇宙局(NASA)とゼネラルモーターズ(GM)が共同開発した『RoboGlove』だ。
これまで足腰をサポートしたり、腕をパワーアップするパワードスーツは幾つも開発されてきたが、指先まではパワーアップできなかった。
そこで期待できるのが、この『RoboGlove』だが、どのような経緯で開発され、どのように活かされようとしているのか。
元々は宇宙飛行士用に開発されていた
『RoboGlove』はNASAとGMが共同開発したパワーアシストグローブだ。

この『RoboGlove』を、スウェーデンのメーカーであるBioservo Technologies ABにライセンス提供することで合意したため、同社が産業用として製品化し、販売することが予定されている。
『RoboGlove』は元々、宇宙空間で宇宙飛行士が工具無しでも機械の組み立てなどの作業を行えるようにと開発されたパワーアシストグローブだ。
そのため、指の筋肉の動きをセンサーが検知して、内蔵されたアクチュエーターと関節によって力が増幅するように開発されている。
たとえば『RoboGlove』を嵌めていれば、7~9キロの力を指先にかけることができるのだ。
これを工場の労働者などが装着すれば、疲労や怪我を削減することが期待できる。
「キツイ」職場を楽にするテクノロジー
Bioservo Technologies ABは医療技術会社でもあるため、『RoboGlove』を医学的リハビリテーションにも活用しようとしているようだ。
また、ヘルスケアや産業用としての用途も視野に入れているだろう。
あるいはすでにいくつも開発されているパワードスーツと組み合わせれば、重い部品を運んで、装着するところまで搬入機械や工具なしでできてしまうかもしれない。
ロボット化が難しいため人間に頼らざるを得ない作業でも、パワードスーツやパワーアシストグローブを組み合わせて使うことで、かなり人間の負担や危険が削減できるのではないだろうか。
そうすれば、こえらのアシスト装置によって、今は「キツイ」ために人手が集めにくい職場でも、最先端のテクノロジーを使った楽な職場に変えられるかも知れない。
【参考】
※ GM-NASA Space Robot Partnership Brings ‘Power’ Glove to Life