
スケートボードに動力がついたら、間違いなく爽快な乗り物になるだろう。
そう考える人は、決して少数派ではない。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のホバーボードまではいかなくとも、自動車に劣らないスピードで路上を疾走したいという思いは大抵の人にはあるはずだ。
その夢が、現実のものになりつつある。
時速35km!
クラウドファンディングサイト『Kickstarter』に出展された電動モーター『eon』は、スケボーを「車両」にしてしまう代物だ。
人が乗れる細長いボードなら、物は選ばないようだ。これを取り付けることで、最高時速35kmの加速が得られる。
動画を見る限りでも、自転車を追い越すほどのスピードで疾走している。とてもブレーキなどかけられそうにないが、心配は無用だ。手持ちのコントローラーで速度調整を行うことができる。また、スマートフォンとの連携も可能だ。
バージョンは3種類

このeonは3種類用意されており、それぞれ最大移動距離や傾斜走破能力に差がある。
たとえば『Solo』と『Cruiser』の違いは、電池が1本か2本の抱き合わせかという点である。平地での速力性能に差異はない。
まったくの剥き身で35kmは、凄まじいスピードである。道路によっては速度規制がかかるほどだ。当然、eonを装備したスケボーを日本の公道で走らせることができるのかという問題にぶつかってしまう。
日本の警察は最新テクノロジーに疎い面があり、こうした器具に関する質問をしても返答できない可能性が高い。だが警察官の知識に頼らなくても、最大時速35kmのスケボーを公道上に乗せるには相当な勇気がいる。
壁は道交法
発明品の普及は、しばしば「法律との戦い」を誘発してしまう。
次世代モビリティーにとって最大の壁は、やはり道交法である。これは筆者が伊勢志摩サミットに赴いた際、製品展示会に参加していたとあるメーカー関係者もそう述べていた。道交法との折り合いがつかなければ、どうにもならないという。
技術の進歩や新製品の登場は喜ばしいことだが、それを実用化させるための課題は山積しているのが現状だ。
【参考】
※Unlimited’s Eon | World’s 1st Electric Skateboard Powertrain-Kickstarter
【画像】