
恋の相談は、うかつに友人にはできない。
その友人は、もしかしたらライバルかもしれないし、「ねぇねぇ、これって秘密なんだけどさぁ」と言いながらみんなに言いふらしてしまうかもしれないからだ。
かといって、親にも無理。
じゃぁ、人工知能(AI)に相談してみれば?
それなら気楽に相談できそうだ。
そんなサービスが始まった。
恋愛相談のビッグデータを使う
AIによる恋愛相談を始めたのはヤフー株式会社で、「Yahoo!知恵袋」のAndroid版スマートフォンアプリで『これって付き合える? 脈ありチェッカーβ』の提供を開始したのだ。

このアプリはAIで有名なIBM Watsonを使って、これまで「Yahoo!知恵袋」に投稿された恋愛相談カテゴリの質問と回答のデータを参照して、恋の相談に答えるという仕組みだ。
つまり、「Yahoo!知恵袋」に蓄積されたビッグデータを、恋の悩みに活用しようという試みになる。このビッグデータは、2016年7月時点で質問数は約1億6100万件あり、回答数は約3億9700万件に上るという。
IBM Watsonは、蓄積されたビッグデータから自然言語処理や学習機能によって恋愛相談に関する学習を行い、質問者からの質問内容や現状の説明を解析し、最適な回答を提案する。
恋愛相談で多い、「脈」のあるなし
今回のサービスを始めたのは、もともと「Yahoo!知恵袋」では恋愛相談カテゴリが人気で、その相談の多くが「脈があるかないか」を問うものだったからだという。
そこでAIを使えば、相談者は人間の回答者が登場するのを待たなくても即座に回答を得られるというわけだ。
AIは、相談者が投稿した現状から瞬時で「脈」のあるなしを判断する。たとえば「相手と目が合った」や「相手と手をつないだ」などから現状を判断し、回答には「確信度」も付ける。
人間よりもAIの方が頼れる相談相手になるかも?
同社は今後、脈のあるなしといった単純な回答だけでなく、文章での回答や答えがない雑談などへのニーズにも対応していくという。
そうなると、将来は暇つぶしにAIと雑談したり、恋愛だけでなく、社内の人間関係の相談や人生相談までできるようになるかもしれない。
考え方によっては、一人分の人生経験しかしていない生の人間よりも、膨大な数の人間の考えを学んだAIのほうが、頼りになる相談相手になるかもしれない。
【参考】