時間は半分に、そしてエネルギー消費量は70%も少なくできる可能性がある衣服乾燥機を、アメリカのオークリッジ国立研究所(ORNL)の研究者が開発したという。
乾燥機は電力消費量が大きい
アメリカ合衆国では、80%もの家庭に衣服乾燥機が備えられているそう。この衣服乾燥機が消費する電力は、住居が消費する電力のうち4%にのぼる。熱を使って水を蒸発させて衣服を乾燥させるという方法は、大きな電力が必要になるためだ。
しかし、ORNLとGEは、まったく新しい方法で衣服を乾燥させる技術を開発した。それは熱の代わりに高周波の振動を使うものだ。電圧をかけられると膨張/収縮する圧電性のエネルギー変換器を使い、特別な増幅器を使って振動させてやることで、衣服から冷たい霧状にした水分を取り除くという。
超音波で乾かすまでたった14秒!?
「最初の結果は、衝撃的なものでした。私たちは布きれを、たった14秒で乾かすことができたのです。オーブンで温度を上げて乾燥させるとしたら、数分はかかってしまうはずです」と研究者のAyyoub Momen氏はいう。
現在、ORNLとGEは、2016年8月いっぱいでフルスケールの試作品を製作するとともに、市販モデルの開発に尽力している。この超音波乾燥機は、現在はアメリカで平均50分かかっている乾燥時間を1回あたり20分に短縮することが期待される。
数字を見るかぎり、アメリカでは日本より圧倒的に衣類乾燥機が普及しているのだろう。個人的には電気を使わないで自然乾燥できるならそのほうがエコだとは思うが、もはや普及してしまっている以上、その消費エネルギーを削減することには大きな意味がある。
また、こういったテクノロジーが衣類以外の乾燥プロセスにも応用できると、また省エネに大きく貢献するかもしれない。
【参考】
※ U.S. DEPARTMENT OF ENERGY Office of Energy Efficiency & Renewable Energy
【動画】