1日は24時間。
しかし、その時間が流れる速度は、たとえ同じ地球上でも生物や環境によって驚くほど違ってくる。
目に見えない“遅さ”で成長する植物や地上からは見えない海流の動き、一方で驚くべきスピードで身体を動かす生物。映像作家のルイ・シュワルツバーグは、それらを高速度カメラや微速度撮影を使って捉えた。
彼は人間の目では見ることができないさまざまな事象を例に挙げながら、自然に隠されたあらゆる「システム」を私たちに見せてくれる。
いずれも息を呑むような映像の世界だが、彼は単純なエンターテイメントとしてカメラを回しているわけではない。
私たちのまつげの上に、世紀の発見が隠れているかも?
高度に発達した映像技術で自然を捉えることで、これまでには知りえなかった発見がいくつもあったのだ。たとえば高速度撮影によってトンボの羽の動きを観察しただけでも、驚くべき仕組みによってトンボたちが空を飛んでいることが明らかになった。
他にも、髪の毛の100分の1の細さしかないクモの糸に隠れたバクテリア、さらにそのバクテリアの中に隠れたウイルスにも注目している。ルイ・シュワルツバーグは、そうした生物が持つ機能を私たち人間の世界に応用できないだろうか?というのである。
彼は「私たちの目で捉えるより千倍も高速に撮影することで、巧みな装置や働く仕組みを見ることができ、それを真似ることだってできるかもしれない」と語る。
私たちの暮らしのすぐ近くにも、目には見えない発見が隠されているかもしれない。このプレゼンテーションを見た後は、普段見慣れた景色を見る目も変わってくるだろう。
【参考・動画】
※ ルイ・シュワルツバーグ: 自然の世界に秘められた奇跡 | TED Talk – TED.com