
いま世界各国で石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーから、再生可能エネルギーへとシフトしようという試みがなされている。太陽光や風力の活用はポピュラーだが、潮力発電というのも選択肢のひとつだ。そして、9月13日にスコットランドで記念すべきイベントが行われた。
タービン4基が完成
世界最大のフリーストリーム潮力発電プロジェクトである『メイジェン・プロジェクト』に、スコットランドのニコラ・スタージョン首相が立ち会って、スコットランドのニグ・エナジーパークで除幕式が行われたのだ。
1基あたり200トンの重さになる1.5メガワットのタービン4基は完全に組み上げられて公開された。これらのタービンはこのプロジェクトのフェーズ1Aを構成する。そのタービンは15mの高さ。ブレードは直径18m。このニグ埠頭エリアで組み立てられ、スコットランド首相によって除幕式が行われたのだ。
今年中には発電を開始
これらのタービンはこのニグ埠頭エリアで基礎構造物に取り付けられ、ペントランド海峡の『メイジェン・プロジェクト』のサイトに配置されることになる。その後、『メイジェン・プロジェクト』は、送電網に接続される。このタービンのうち1基を製造したアトランティス社は、今年の暮れまでに、最初のエネルギーを送電網に供給することになる予定だ。

『メイジェン・プロジェクト』は、最終的には、計269基のタービンで構成され、イギリスの17万5000戸のエネルギーをまかなうことができる発電を行う。スコットランド政府はこのプロジェクトに多額の出資を行っているが、そこには独自の産業の発展や、地元での雇用の拡大など、イギリスのEU離脱の影響も考えた政治的な思惑もあるようだ。
とはいえ、潮力というのもまた再生可能エネルギーとして活用が可能なものだ。実際にはタービンを海中に設置するための設備投資や、メンテナンスコストがかかったり、漁業への影響なども課題だろう。しかし、潮の流れは強力だし、風力よりも安定していそうだ。スコットランド同様に海に囲まれた国である日本でも、活用できる手法かもしれない。
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