10月4日~7日に行われた『CEATEC JAPAN 2016』に行ってきたので、数回に分けて報告したい。
前回私が訪れたのは2014年だったので2年ぶりとなるが、2年前は出展側の演出もどことなく貧相で来場者も少なく、日本経済の低迷振りを垣間見たようで寂しい印象があった。
しかし今回は、出展社・団体が前年比22%も増えたためか、会場にも華やかな印象があり来場者も前年比9.1%増の145,180人と大いに盛り上がった。
これは、CEATECがこれまでの「IT・エレクトロニクスの総合展示会」から「CPS/IoT Exhibition」にコンセプトを変換したことに起因しているようだ。
そこで今回はまず、4年ぶりに出展した日立のブースを覗いてみた。
ヒューマノイド『EMIEW3』
4年ぶりの出展ということか、日立のブースは非常に賑わっていた。
私の目当ては、接客や案内サービスをするヒューマノイドロボットの『EMIEW3』と、次世代のパーソナルモビリティである『ROPITS』だった。
まず、ヒューマノイドロボットの『EMIEW3』だが、やはり目玉製品として目立つところに展示してあった。
『EMIEW3』はすでに羽田空港や東京駅で実証実験が行われている接客・案内サービスロボットだ。
高さは90cmなので威圧感は無く、無理に人間に似せていないため、いわゆる「不気味の谷現象」とも無関係で、キャラクターとして接しやすいデザインになっている。
『EMIEW3』は音声認識や画像認識を行い、会話もできるが、それらの機能は遠隔地のデータセンターによるということだ。
それでは実際にどのような動きを見せてくれるのかと期待していたのだが、残念ながら展示されている『EMIEW3』は動かなかった。
展示会の醍醐味は、実物の動作を確認できることだけに残念だった。
次世代パーソナルモビリティ『ROPITS』
さて、気を取り直して次世代パーソナルモビリティ『ROPITS』を見てみる。
さすがにこの人混みの中での試乗は無理だが、そのデザインのコンパクトさは実感できた。
『ROPITS』はシニアカーを洗練したような設計思想で作られているが、最大の違いは基本的な使い方が自動運転であることだ。
自分でもジョイスティックを使って手動で操作できるのだが、基本的にはタブレットで出発点(自分が居る場所)と目的地を指定すれば、迎えに来るところから目的地までの移動までを自動的に行える。
そのため、GPSやレーザー距離センサ、ステレオカメラを搭載しており、環境を3次元で認識して路面の凸凹も検出できる。
『ROPITS』は一人乗り用で4輪。基本的には歩道を走行するため、歩道特有の凸凹や段差は乗り越えられる。
一見、縦に細く不安定な印象を受けたが、車体水平維持アクティブサスペンションや障害物回避機能など、高度な技術が搭載されていることで安定性を保てるという。
『ROPITS』はシニアカーとしても使えるが、性能からすればもっと応用範囲は広げられるだろう。
タクシー的な使い方や敷地が広い観光施設内の移動手段にも使われることになるのではないだろうか
※写真撮影:筆者
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