測量やインフラの点検、警備や農業など様々な産業での活躍が期待されているドローン。一方で、“空飛ぶカメラ”としてパーソナルユースでも注目されているのはご存じの通り。そんな中、世界的なドローンメーカーのDJIが、折りたたみ式の超コンパクトな新製品『MAVIC PRO(マビック・プロ)』を発表。小さいのに驚くほど高性能な最新ドローンに焦点をあててみた。
折りたたむと手のひらサイズに
『MAVIC PRO』は、10月4日~10月7日に千葉県・幕張メッセで開催されたイノベーション系イベントCEATEC JAPAN2016で初お披露目されたので、ご覧になった方もいるだろう。
イベントで現物を見た筆者も、そのコンパクトさにはびっくり。先端にプロペラが付いた4本のアーム部がボディに収納でき、手のひらにすっぽりと収まる大きさになるのだ。これに専用の送信機や予備のバッテリーを合わせても、バッグなどに入れて手軽に運べる。携帯性は抜群だ。
しかもアームを広げて飛行可能な状態にすると、これがかなりカッコイイ。ちょっと軍用ヘリ的なスタイルは、なかなか男心をくすぐるデザインだ。
誰にでも飛ばせる賢さも魅力
その小さなボディにも関わらず、高い機能を持つのも注目点だと言える。DJI独自のFlight Autonomy(フライト・オートノミー)システムにより、ハイレベルの自律飛行が可能だからだ。
24個のプロセッサーやGPSナビゲーションシステム、2個の超音波距離計、5台の飛行制御用カメラなどで構成されるこのシステムは、「MAVIC PRO」の頭脳だ。自らが機体の位置を測定し、飛行ルートを計画、飛行指示を与えるなど、まさにAI(人工知能)的な働きをする。これにより、
自動で離着陸
離陸地点とほぼ同じ地点に着陸
自動操縦(自律飛行)が可能
撮影したい被写体を自動で追尾
前方の障害物を検知して回避
地形を検知して一定高度で飛行
などといったことが全て自動で行える。まるで空飛ぶロボット。これらにより、ビギナーでも機体の操作を気にせず、撮影に専念することができるのだ。
送信機にはスマホもセットOK
『MAVIC PRO』の操作は、専用の送信機で行う。
機体と同様コンパクトなのだが、これもなかなか秀逸。小型ながら最大で4kmまで電波を機体に送信できるので、長距離操作が可能なのだ(海外モデルは7kmまで送信可能)。内蔵のLCDスクリーンは、バッテリー切れなどで自ら着陸地点に戻るリターン・トゥ・ホーム機能が中断した場合などに、適正な操作方法を表示。それらに従い操作することで、墜落など最悪のケースを回避できるのだ。
また、スマートフォンを装着すれば、機体に付いたカメラからの映像をライブビューで見ることもできる。映像は最大1080pの高解像度で、上空からの絶景などをリアルタイムで堪能できる。他にも、スマホの画面をタップするだけで自動操縦が可能なTapFly(タップフライ)機能が使えるほか、専用のDJI GOアプリでFacebookやYouTubeにストリーミング配信をすることも可能だ。
写真や動画撮影もハイレベル
機体中央についた撮影用の超小型カメラも高機能だ。4K動画やフル1080pHD、1200万画素の画像などの撮影が可能。わずか0.5mの焦点距離を実現するオートフォーカス機能なども搭載し、まさにプロ級の撮影が簡単にできるのだ。
また、カメラを固定する3軸ジンバルも、コンパクトながら機体の揺れなどによる映像や画像のブレをしっかり防ぐ逸品。ほかにも、ジェスチャーをするだけでセルフィー撮影ができる(自撮り)機能なども装備。空からの撮影が楽しくなる親切設計だ。
ちなみに、『MAVIC PRO』のPVもあるのでご覧頂きたい。
価格も驚き!
そして、気になる価格。なんと本体価格11万9,800円! ビギナー向け一眼レフカメラ並みの値段で買えるのだ。また、予備バッテリーやプロペラ、充電ハブ、アダプター、シガーソケットチャージャー、ショルダーバッグなどが付いたセット(Mavic Proフライモアコンボ)でも15万5,800円と格安の設定になっている。
ドローンの購入を考えているビギナーの方なら、この機能でこの値段ははっきり言って買いだ。ただし、問題は2015年12月に施行された改正航空法により定められた飛行禁止エリア。該当エリアで『MAVIC PRO』を飛ばす場合も、国土交通省からの許可が必要だ。
もちろん、飛行禁止エリア以外の私有地などで所有者の許可がある場合や、屋内で管理者の許可があれば問題ない。最近では、練習場や飛行場なども増えてきているので、そのような場所を利用する手もある。気になる方は、DJIのホームページをチェックして見て欲しい。
※ 記事初出時、内容に一部誤りがありました。訂正し、お詫び申し上げます。
【参考】
※ DJI、コンパクトな新製品パーソナルドローン「Mavic Pro」を発表|DJI JAPAN株式会社 – PRTIMES