
かつてのパソコンといえば、一種の家具だった。
重い本体とディスプレイを支えるための専用ディスクが必要だったし、何より起動音がうるさかった。まるで動物の鳴き声のような、冷却ファンの音である。
今はそれの要素が一切なくなり、パソコンも上着のポケットの中に入るようになった。そして、こんな製品も登場している。
これはタブレットかミニPCか
『Ockel Sirius A』は、オランダ発のミニPCだ。いや、もしかしたらその普通名詞は適切ではないかもしれない。
この製品は、6インチタブレットとしての使用も想定されている。一方で本体側面にはLANケーブルやUSBなどの各種ポートが用意されているので、やはりこれはミニPCと呼ぶべきか。OSはWindows10で、行った先の液晶モニターに接続することができる。
要は「混血児」だ。サンデーサイレンス系の種牡馬とノーザンテースト系の繁殖牝馬が産駒を生み出すように、工業製品にもそうした現象が起こり得る。よく考えてみれば、我々が普段手にしているスマートフォンもあらゆる製品が混血を繰り返した結果作品ではないか。
まだ間に合う特価販売枠
クラウドファンディングサイト『Indiegogo』に出展されたOckel Sirius Aは、この記事を書いている10月17日の時点で残り期限23日。すでに目標調達額の250%もの資金を集めている。
だが幸いなことに、Indiegogo限定の値引き販売枠はまだ残っている。128GBマイクロSDカードとセットで559ドル(約5万8,000円)という値段だ。決して高価なものではない。
また、このOckel Sirius Aはデザインも非常に洗練されている。外に出していたら、面識のないガジェットマニアに声をかけられるかもしれない。そのような逸品だ。
タブレットはさらなる進化を
この製品がきっかけで、新しい種類のガジェットが増える可能性もある。
かつては音楽の聴ける携帯電話は「ウォークマンケータイ」などと呼ばれ、大衆から珍しがられていた。だが今では、携帯電話で音楽が聞けるのは当然で、それがなければもはや「ケータイ」とも「スマホ」とも呼ばれない。
現行の電子製品に、新しい風が吹き込まれようとしている。
【参考・動画】