災害対策や農業、点検や警備、輸送物流に測量など、様々な産業で活用が期待されているドローン。が、一方で、経験豊富な操縦士がいないことで、事故や法令違反などの問題が起こっているのも確かだ。
その問題を解消しようと、現在増加中なのが産業用ドローンの操縦士を育てるためのスクールだ。筆者が調べただけでも、日本全国で現在47程度のスクールが存在していて、今後もその数はますます増えていきそうだ。
そんな中、東京・お台場と宮城県で最近新しく開校したスクールがある。どちらもかなり個性的で実践的内容なので、ちょっと紹介してみよう。
お台場で受講できるビギナー向けプロ養成校
まずは「ドローン大学校」から。
10月に開校したばかりのこのスクールは、キャンパスが東京のお台場にあり、首都圏に務めているサラリーマンでも仕事帰りに受講ができるのが魅力だ。
キャンパスは、レンタルオフィスthe SOHO内にあり、ドローンビジネスでの活躍を目指すビギナーを対象としている。授業は、主に屋内練習場兼教室で行われ、受講時間は毎日19:30~22:00。前述のようにアフターファイブを利用できるのがうれしい。
また、民間企業などで集まった業界団体のJUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)公認のスクールなのも注目だ。このJUIDAには、現在全国に30以上の認定スクールがあり、独自の操縦技能証明証や安全運航管理者証明証も発行している。もちろん、「ドローン大学校」を卒業すれば、これらの証明証を発行してもらえる。
様々な関連企業が集まった団体が発行する証明証なので、スクール卒業後のビジネスでも、クライアントなどに信頼感を持ってもらえるのは確かだ。
講義は、操縦法だけでなく、飛行申請や安全管理など幅広く実践的なもの。また、大手自動車メーカーのCMなども手掛ける外国人クリエーターによる特別講座などもある。ドローンビジネス創造に関する、プロの視点なども学ぶことができるのも魅力だ。
東北の自然を活かしたスクール
一方、今年9月に宮城県丸森町で開校したのが「丸森ドローンスクール」。地元企業の高野建設が運営するこのスクールは、自治体とタッグを組んでいるのが特徴だ。
これにより、今後予想される自治体でのドローン活用業務に対応したカリキュラムを提供することができる。つまり、こちらのスクールでも、単に操縦法を学ぶだけでなく、実際のビジネスシーンに対応した知識・技能を学べる内容になっているのだ。
授業が行われるのは、高野建設と丸森町の「ドローンパートナー協定」により作ったドローン専用飛行場「丸森ドローンフィールド(MDF)」。広大な敷地にある町有の広場や体育館などが利用できるため、様々な業務を想定した“活きた”操縦法が学べるのだ。
運用のほとんどが野外であることが想定されるドローンだけに、天候などの気象条件、風の向きや強さなど、自然現象に応じた操縦法が学べるのはかなり大きい。
ちなみに、「丸森ドローンフィールド」の紹介動画があるのでご覧頂きたい。
将来的には農地や森林での活用も構想にあり、農業や林業といった第一次産業でのドローン活用にも対応した授業も受けられることが期待できる。また、ゆくゆくはドローンレースの会場としての利用も想定しているそうだ。
重要なのはいかに実践的か
以上2つのスクールでは、いずれも実際のビジネスでいかにドローンを活用するか? といった内容が盛り込まれているのが特徴だ。産業ユースでのドローン活用を重視したこれらスクールの方向性は、学ぶ側にとって重要だ。スクールに興味を持たれている方には、ぜひ自分の目的にあったスクール選びをおすすめする。貴重な時間とお金を、いかに自分のキャリアに結びつけるかが、最も大切なことなのだから。
【参考】
※ ゼロからはじめるドローンのプロ養成大学校 – JUIDA認定校 ドローン大学校
※ お台場にビギナーを対象としたJUIDA認定ドローンプロ養成校「ドローン大学校」が10月2日(日)開校!- PR TIMES
※ 実際のドローン運用を想定した、実践的カリキュラムを提供するドローンスクールを、自治体とコラボレーションして宮城県丸森町に開校します。 – PR TIMES