バンドマンがギターを抱えるように、ツーリストがスーツケースを引くように、電車にもバスにも一緒に連れていける、世界最小・最軽量の電動バイク「URB-E」。
これがあれば、愛車と公共交通機関を使い分ける「パーク&ライド」の概念はもういらない。家から駅まで乗っていって、パーキングに停める代わりにパタンと小さく折り畳む。
大きさは40×40×90cm、重さは約13㎏の持ち歩きサイズにして、コロコロとスーツケースみたいに転がして電車の中へ。お望みの駅で降りたら、また広げてハンドルを握れば、あとは最終目的地までスイスイだ。
「URB-E」はアメリカのEgoLogical Mobility Solutionsが開発した、リチウムイオンバッテリーを搭載する電動バイク。
2輪の「URB-E GP」と3輪の「URB-Eコミューター」があり、どちらも最高速度は24km/h。1回約3時間の充電で、約32kmまで走行可能という日常使いに十分なスペックだ。
こうした、街での移動手段として使える“手軽で小さな電動のノリモノ”は、セグウェイをはじめ既にいくつか製品化されており、自動車メーカーもトヨタがウイングレット、ホンダがUNI-CUBと、歩行者と同じような速度で乗れる次世代パーソナルモビリティを開発して、実証実験を行いつつ製品化を目指している。
その狙いはいくつかあって、ひとつは都市部における渋滞や駐車場不足、環境負荷の改善。郊外からクルマや列車でやってきて、都市に入ったら移動はパーソナルモビリティを使えば、道路はスムーズに流れ、迷惑駐車や放置自転車も減る。動力源が電気なら走行中にCO2を一切出さず、環境にも優しいというわけだ。
そしてもうひとつは高齢化社会。誰でも安全にラクに乗れて、どこへでも持ち運ぶことができ、速度は歩行者並みからスクーター程度まで対応できるノリモノなら、高齢者がアクティブに活動するための良き相棒になりうる。個人所有だけでなく、例えば巨大ショッピングモール内の移動に自由に使えたり、駅の乗り替え時に利用したりするのも新しいスタイルだ。
こうした狙いからすると、世界最小・最軽量、日常的な使用状況に十分な走行スペックを兼ね備える「URB-E」は、間違いなく今いちばん現実的なパーソナルモビリティ。
さらに、乗りながらスマートフォンなどの充電ができたり、アプリで音楽やナビ機能が使えたり、基本カラー+カスタマイズでファッション性も魅力的。となると、これはクールで賢いモバイルアイテムと言ってもいい。そんな「URB-E」はもう間もなく、発売が開始される予定だ。
*参考:URB-E | The most compact electric personal transportation vehicle.