
昨年の11月に、BMWが未来のバイクは倒れないというコンセプトを発表したことを投稿した(『未来のバイクはヘルメットが不要になるかも? BMWのコンセプトバイクは倒れない』)。
しかしそれは、すでに実現してしまった。
ホンダが、1月5日から8日まで米国ネバダ州ラスベガス市で開催された家電見本市CES2017で、倒れないバイクの実物を展示したのだ。
これほど早く倒れないバイクが実現するとは予想していなかった。
無人で停止しているときも、ライダーが搭乗した際も倒れずに自立し、プレゼンターの後を静かについて行く無人のバイクを目の当たりにした来場者たちは、まるで魔法を見せられているように感じたであろう。
ASIMOの技術をバイクに応用
ホンダが発表した倒れないバイクは『Honda Riding Assist』と名付けられていた。
『Honda Riding Assist』に採用されたのは、ホンダが開発したヒューマノイドロボット『ASIMO』の研究で培ったバランス制御技術だった。
この技術をバイクに応用したことで、『Honda Riding Assist』は人が乗っていないときでも乗っているときでも、自ら倒れないようにバランスを保つことができるようになった。
この技術により、『Honda Riding Assist』は渋滞時などの低速走行時でもふらつきを防ぎ、取り回しの際にも転倒のリスクを削減することができるという。
もちろん、通常の走行時には既存のバイクと同様の操縦性を持っているため、あらゆるシーンでバイクの走行を楽しめるようになるというホンダの提案が『Honda Riding Assist』には込められている。

バイクユーザーを増やす技術になるか
『Honda Riding Assist』の魔法のような技術は、CES2017において3つの賞を受賞した。
その2つは公式アワードパートナーであるEngadgetが主催する「Best Innovation」と「Best Automotive Technology」。そして3つめが米国Popular Mechanics誌が主催する「Editors’ Choice Awards」だ。
『Honda Riding Assist』のインパクトは、3つの賞を受賞することも納得できるほどに強いものだろう。
自立するバイクが実用化されれば、バイクの転倒事故が減少すると同時に、これまでバイクの利用に二の足を踏んでいたユーザーの敷居を低くするかもしれない。
【参考】
※ Honda’s amazing Riding Assist motorcycle won’t fall over – PCWorld
※ Honda’s amazing Riding Assist motorcycle won’t fall over – PCWorld