
自転車は、言うまでもなく現代人が最も親しんでいる乗り物である。
構造がシンプルなゆえ、奥深い。自転車はあらゆる素材から製造できるし、いろいろな改造も施せる。たとえば、竹でスポーツバイクを作ろうというプロジェクトがここ最近活発になってきている。しなやかで強度のある竹は、再注目されている素材なのだ。
そしてこの記事で紹介するのは、紙とプラスチックの自転車である。
これもまた、非常に奥深く面白い。
紙とプラスチックの自転車
クラウドファンディングサイト『Kickstarter』に公開された、『Urban GC1』という自転車がある。
これはフレームやホイールが再生紙と再生プラスチックでできているという製品だ。とくにプラスチックゴミの問題は世界的なものだが、それを解決する手段としてこの自転車が開発されたという。
動画を見たところ、ブレーキにあたるものが見当たらない。にもかかわらず、脚力である程度のブレーキが効く固定ギアではなく、回転を止められないフリーギアのようだ。ブレーキは購入者が個々につけるということだろうか?
そういう疑問符もあるが、全体的に見れば極めて野心的な製品でもある。タイヤはチューブを使わないノーパンクタイプで、乗り心地や耐久性に対する疑問もあるが「パンクの心配がない」という点はプラスに評価できるだろう。
身の丈に合ったイノベーション
ここ最近、電動アシスト自転車や電動キックボードといった類の乗り物がクラウドファンディングに多く出展されている。
だが、ここで一度原点回帰してみるのもいいかもしれない。すなわち、機能としてのハイテクを追求するのではなく「身の丈に合った改良」を施してみよう、ということだ。
Urban GC1が素晴らしい発明か否か、市場に受け入れられるかどうかは分からない。だが、現代人の身近にあるものから現実的な改良を施すという行為は最も手軽な「イノベーション」である。
周囲を見回してみれば、イノベーションの種はあちこちに転がっていることが分かるだろう。
【動画・参考】