近年、インバウンド(訪日旅行者)が急増しており、政府観光局の調べによると、昨年は1年間で2,400万人以上に達したそうで、外国人客を相手にするホテルやレストラン、土産物販売店などではスムーズな対応が課題になっている。
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そうしたなか、ウェアラブルデバイスを開発するログバーと、グローバルWiFiを手掛けるビジョンが共同で、4月下旬から『ili(イリー)』のレンタルサービスを日本国内14の空港カウンターなどで開始する。
実用的な高性能翻訳機の登場
昨年1月に当サイト『FUTURUS』でもご紹介した『ili』は、米ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市CES 2016に、日本のスタートアップ企業ログバーが出展し、INNOVATION AWARDSを獲得した世界初のウェアラブル翻訳デバイス。
操作ボタンは正面と側面に設けられたボタン2つだけで、マイクで捉えた音声をを翻訳し音声でアウトプットする。
使用方法は、正面のボタンを押しながら発語すると翻訳を開始し、ボタンから指を離すと翻訳結果を読み上げてくれる。側面のボタンは、翻訳結果をリピートする際に使用する。
スティックタイプで手軽に持ち歩け、インターネット接続無しで翻訳音声をレスポンス良く、相手に聞き取りやすい音量で発することができるのが特徴だ。
開発元であるログバーの吉田CEOによると、高校生の頃に初めて渡米した際、英語が通じずに困ったことが『ili』開発の動機になっているという。
Wi-Fi接続不要の高速翻訳が身上
特に拘ったのは翻訳スピードで、最速で0.2秒で完了する。翻訳スピードを上げるため、旅行シーンに必要な事項に特化することで、Wi-Fi接続によるWeb上の膨大なデータベースを不要にしている。
本体にはマイク、スピーカー、メモリ、CPUなどを搭載。
スマホにも翻訳機能などが存在するが、海外でスムーズにコミュニケーションをとるには不向きな面もあることから、いかに自然に相手と対話できるかに重点を置くと共に、使用時に相手に警戒されないように配慮するなど、2年間かけて同機を作り上げたそうだ。
例えは本体前面から日本語で喋ると、リアルタイムに変換されて背面のスピーカーから相手に直接英語で語りかけることになる。もし相手も『ili』を持っていれば、リアルタイムな会話が成立する。
多言語に対応予定
日本語、英語、中国語に対応しており、韓国語、タイ語、スペイン語についても現在準備中とのこと。
事業者向けには6月から1ライセンスあたり月額3,980円でリリースされる予定で、気になる一般向けについても年内のリリースを予定しているという。
『ili』のように実用的な翻訳機が普及すれば、海外旅行先でのコミュニケーションに対するストレスが大幅に減ると予想されることから、今後の展開が大いに注目される。
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※ PRTIMES