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クーラーボックスを開発すれば、海外クラウドファンディングで大成功できる?

Photo credit: independentman via Visual Hunt / CC BY

 

アウトドアレジャーが盛んなアメリカでは、クーラーボックスに対しては大きな需要がある。

そういえば、かつてクラウドファンディングサイトで『Coolest』という製品が資金を集めていたことがあった。これは恐るべき巨額を手にしたにもかかわらず、生産計画で失敗して出資者を怒らせたことで知られている。

だがこれは、クーラーボックスというものがクラウドファンディングで大きな注目を集めることができるという証明でもある。

 

4,000万円を集めたクーラーボックス

『Kickstarter』に出展された『Maluna』も、やはり目覚ましい額の出資を集めることに成功した。目標額15万ドル(約1,700万円)に対し、その倍以上の35万ドル(約3,900万円)ほどの資金を調達してしまった。

このMalunaは華氏表示の温度計が付属し、肝心の保温性能もなかなか優れている。華氏45度以下(摂氏約7.2度)の状態を、最低でも86時間維持できるという。

ただしこの実験データには、どういうわけか外気温や実験環境の項目が見当たらない。だからこの数字を鵜呑みにすることはできかねるが、少なくとも3日間はその役割を持続できるということで恐らく間違いはないだろう。

Malunaは大きさによって3種類用意されている。40、50、そして70だ。この数字はリットルではなく、アメリカ液量クォートである。40クォートは約38Lだ。今でもヤード・ポンド法が主流のアメリカで開発された製品だから、そうした面でのややこしさは否めない。

 

中小企業飛躍のチャンス

価格はKickstarterのキャンペーン内では、40クォートサイズで189ドル(約2万1,000円)。新機構の蝶番の形状を前面に押し出したPRを行っているが、それよりも動画本編のユニークな演出が非常に気になる。

出資者も、もしかしたらこの動画に出てくる雪男に圧倒されてつい「Back this project」をクリックしてしまったのではないだろうか。正直に打ち明けると、筆者もこの雪男に寄り切られる形でMalunaを取り上げている。クラウドファンディングでの「PR動画の勝利」という現象は、やはりあるのだ。

ただ、こうしたクーラーボックスは日本の中小企業でも開発できるのではないか? 筆者はこのFUTURUSの記事で再三言っているが、クラウドファンディング出展に飛び抜けて高い技術力は必要ない。

誰しもがスティーブ・ジョブズになれるわけがないし、また「世界的に需要のある製品は何か」を心得ておけば海外クラウドファンディングでも充分に戦えると筆者は考えている。

 

【参考・動画】

※ Maluna: Premium Coolers that Ice the Competition by 20% – Kickstarter