
なぜ、三輪車は日本では定着しなかったのだろうか?
終戦間もない頃は、オート三輪が都市物流の中核を担っていた。原子爆弾を投下された広島市に本社を置く東洋工業(現・マツダ)が、壊滅的状況からどうにかラインを稼働させオート三輪を生産した話は有名である。
だが、日本における三輪車両の系譜は途絶えてしまった。
一方で、パーソナルモビリティの世界では三輪形状をデザインに組み込もうという動きがあるようだ。
性能は申し分なし
セグウェイは、言い換えれば「立ち乗り二輪車」である。2つの車輪が横に並ぶデザインだ。
それに対し、今回この記事で紹介する『TRANSBOARD』は前2後1の三輪車だ。車輪をひとつ増やすとどうしても大きく重くなるが、そのあたりは高出力モーターと設計上の工夫でカバーしているという。
まずは、最高速度。開発者の発表によると、時速22マイルまで出せるという。22マイルとは35km。充分なスピードである。
また、搭乗部の中央が山折りできるようになっていて、女性の力でも簡単に収納・牽引できるそうだ。
そして前部の二輪にはサスペンションが付けられているから、ある程度のオフロードでも安定性を確保できるらしい。
発送間近
キャンペーンを出している『Indiegogo』では、549ドル(約6万円)からの投資で製品を提供する。
プロトタイプの段階だそうだが、発送予定は来月とある。ちなみに、日本への発送は235ドル(約2万6,000円)の手数料が加算される。
日本では公道走行ができないとは言え、地形に起伏のあるゴルフ場では重宝される製品になるのではないか。TRANSBOARDの商品化が叶えば、日本でもその需要が発生するはずだ。
筆者は他人の作ったものを持ち上げたりはしない主義だが、TRANSBOARDは今後期待の乗り物である。
【参考・動画】