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空の安全を守る! 楽天が無人航空機管理システムを提供【国際ドローン展】

撮影:平塚直樹

無人航空機管理システムというのをご存じだろうか?

これは、ドローンを安全に飛ばすためのシステムで、航空機の管制システムのドローン版ともいえるもの。

今年3月に、ECモールなどでおなじみの楽天が、このようなサービスを提供する「楽天Air Map」を開始することを発表。そのデモなどを、4月19日〜4月21日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催された、「第3回 国際ドローン展2017」で行ったので紹介しよう。

 

空域管理者と操縦者へ情報提供

無人航空機管理システムは、英語でUTM(Unmanned Traffic Management)と呼ばれるもの。今回、楽天はアメリカでそのサービスを提供し実績があるAir Map社と合同会社を設立。Air Map社が持つソリューションを、日本向けにアップデートして展開する予定だ。

特徴は、まず空港や大学、公園などドローンが飛行を予定するエリアの空域管理者向けのツールを提供すること。

詳しい方はご存じだと思うが、ドローンの飛行には、航空法により人口密集地域などでは国土交通省の許可が必要だ。だが、あまり知られていないのは、それぞれの空域の管理者への許可も必要なこと。つまり、人口密集地域では国土交通省と空域管理者、それ以外エリアでも空域管理者の許可は必須だ。

楽天Air Mapホームページ(https://soraraku.rakuten.co.jp/airmap/)より抜粋

そこで、このツールでは、空域管理者が飛行を予定するドローン操縦側からの申請の承認・非承認を、デジタルで簡単にできるシステムを提供。

また、許可した操縦者に対し、飛行当日の空域情報などを、空域管理者側から同じくデジタル上で、簡単に提供できるサービスも展開する。

操縦者側は、下の画面のような飛行空域の詳細な情報を閲覧することで、ドローンの安全な運用をすることができるのだ(画面はイメージで実際の運用時は変わる予定)。

撮影:平塚直樹

 

様々なデバイスに対応

ドローン操縦者側への飛行当日の情報などは、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなどでも閲覧が可能(画面はイメージで実際の運輸時は変わる予定)。現場のパイロットがリアルタイムの情報を入手できるようにする。

撮影:平塚直樹

また、飛行前の申請についても、予定エリアの飛行申請をどこにすべきかなどの情報も提供。いずれも、従来の書面での煩わしい申請をデジタルで簡単にできるようにする。

ほかにも、ドローンメーカーやアプリ開発者などと相互に情報交換を行うことで、機体やアプリケーションのアップデートに貢献すると共に、操縦者側にも飛行時のハード面などの最新情報をリリース。

これら多角的なデータのやり取りで、さらなるドローンの安全な飛行・運用ができることを目指す。

ちなみに、「楽天Air Map」の紹介ビデオがあるのでご覧頂こう。

運用開始は今年夏頃を予定。産業用ドローンの安全面での礎となることを期待したい。

 

【画像】

※ 楽天Air Map – 第3回 国際ドローン展2017 (撮影:平塚直樹)

【動画】

Rakuten AirMap Launch V2