
「ゆとり世代はブラインドタッチができない」ということを聞いたことがある。だが、webライターで生計を立てている筆者からして見れば、たとえそうだとしてもまったく問題はない。なぜならブラインドタッチ云々は入力の問題だからだ。我々の業界でより重要なのはファイル形式、すなわち出力である。それができれば、入力がキーボードによるものだろうとタッチパネルによるものだろうと一切問題にはならない。
それに、「ゆとり世代はブラインドタッチができない」というのは典型的な偏見である。現在の20代にとっても、物理キーボードは重要な入力手段だ。そうでなければ、キーボードを搭載する機器は市場から一掃されているに違いない。
スマホ操作を大画面で
スマートフォンの画面をより大きなものに投影し、なおかつ物理キーボードで操作できる機器がすでにいくつか登場している。平たく言えば「スマホをノートPCにする」製品だが、この記事ではクラウドファンディング『Indiegogo』に登場した『Mirabook』をご紹介しよう。
これはAndroid、Windows10、そしてRaspberry Piに対応したもの。13.3インチのディスプレイに、愛機の画面をそのまま反映できる。
開発者は、興味深いデータをキャンペーン内で掲げている。それはGalaxy S8のほうがMacbook Airよりも機器として高性能だというものだ。それならば、Galaxy S8をそのままノートPCにしてしまえばいいという発想である。
また、Mirabookはスタミナに優れた製品だ。開発者は「24時間駆動を可能にした」と公表している。しかもそれは、スマホを充電しながらのことらしい。本当だとしたら、かなり優秀な長距離ランナーだ。
半年以上は「投機的」?
Mirabookの価格は決して高くない。Indiegogoでは199ドル(約2万2,000円)からの提供枠が用意されている。
これは下手なタブレットよりよっぽど安い。だが出資者への発送は7ヶ月後、今年12月だという。現時点ではまだプロトタイプの段階で、量産には至っていないそうだ。このあたりの事情は鑑みるべきである。
クラウドファンディングの製品は、発送までの間が長ければ長いほど投機的になってくる。筆者はひとつの基準として、キャンペーン終了日から発送予定月までのスパンを3ヶ月ごとに段階づけるようにしている。その段階をふたつ分、すなわち6ヶ月以上の時間を必要とする製品はいろいろと熟考すべきだ。
もちろん、クラウドファンディングに出資はせず市場投入を待つという手段もある。その場合、Mirabookは299ドル(約3万3,000円)で販売されるそうだ。
【参考・動画】
※Turn Your Smartphone Into a Laptop – Mirabook
※Miraxess Introduces the Mirabook – Turn your Smartphone into a Laptop – YouTube