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「人間の浅ましさ」か、それとも救世主か…?ブタの腎臓をヒトへ移植成功

病気によって臓器の回復が見込めず臓器移植を希望していても、なかなか臓器を提供してくれる人が現れず、治療が進まないというケースが多いようです。

公益社団法人の『臓器移植ネットワーク』(※1)によると、「日本で臓器の移植を希望して待機している方は、およそ14,000人」であり、「それに対して移植を受けられる方は、年間およそ400人」であると記されていました。臓器移植の実現について、かなりハードルが高いものとなっているのが現状です。

ロイターによる報道(※2)によると、アメリカの大学で豚の腎臓を人間に移植することに成功したとのことです。そのような治療は、臓器移植を望んでいる人にとって新しい希望となるのでしょうか。また、この報道に対する世間の反応にはどのようなものがあるでしょうか。

豚の腎臓移植成功!免疫の拒絶反応起こさず

画像:David Tadevosian/Shutterstock

10月21日のロイターの報道(※2)によると、「米ニューヨーク大学(NYU)ランゴーン・ヘルスの外科医らが、遺伝子操作されたブタの腎臓をヒトに移植することに成功したと発表した。免疫系による拒絶反応を起こさず、ブタからの移植に成功したのは今回が初めてとなる。ブタの腎臓を初めて、拒絶反応なくヒトへ移植することに成功。移植用の臓器不足を解消するための大きな進歩となるかも」とのこと。

さらに、「全米臓器分配ネットワークによると米国では現在、10万7000人が臓器移植を待っており、うち9万人以上が腎臓移植を希望している」と述べられていました。

日本でも2007年に人間の体細胞を培養するiPS細胞が話題となりましたが、臓器移植に関する開発は世界的にも日々進められています。本格的に実用化されれば、臓器移植が実現するまでの待ち時間が軽減されることや、治療に伴う家族への負担も軽減されるでしょう。

ですが、移植用に遺伝子操作された豚を利用することになるという倫理的な問題や、体内に豚の臓器が移植されることへの精神的な問題が課題となりそうです。

SNS上では賛否両論も

画像:mailsonpignata/Shutterstock

このような新しい臓器移植に関する治療法について、SNS上では賛否両論がみられました。Twitterでは、「腎臓は一度痛めたら悪化するのみで移植しか道がないので、将来的に実用化されたら素晴らしいですね」との声も。

また、臓器移植以外にも「亡父も透析してて病院の送り向かいしました。10代から高齢者、たくさんの方々が透析してました。透析の拘束時間はご本人も介護してるご家族も大変です。透析してると近くの介護施設に入れませんでした。今はどーなのかな?」という声も寄せられていました。腎臓の機能不全による透析療法による問題にも希望となるかもしれません。

一方で、「そこまでして生きたいかねぇ。人間の浅ましさしか感じないニュースだな」という意見も。人間の命のために豚の命を利用して良いのかという倫理的な問題についてふれ、この治療法について批判している人も一定数みられました。

倫理的な問題や今までにない革新的な方法であるため、日本でもこの治療法が普及されるのかはまだわかりません。ただ、この研究が進み、様々な問題が解決していき実用化すれば、透析などの定期的な治療の必要が無くなることで患者への負担も軽減されていくことでしょう。今後も注目していきたい研究といえます。

※1 ブタの腎臓をヒトへ 米で初成功 – ロイター
※2 移植と提供とは?|日本臓器移植ネットワーク
@HalhalNono13@oka_po_i_n_t@raccootoko1988/Twitter
※ChawaMz・David Tadevosian・mailsonpignata/Shutterstock