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BMWが次世代カーポートでエコとスマートグリッドの未来を提示

将来的にエコカーはどのような道筋をたどるのか。現状では、内燃機関とモーター+電池を組み合わせたハイブリット車やプラグイン・ハイブリット車が主流だが、EV(電気自動車)の比率も上がってくるだろう。

また、水素を燃料として発電しモーターを駆動する燃料電池自動車の普及も見込まれる。日本では経済産業省が4月21に燃料電池自動車の2015年の本格的な普及に向けた準備の一環として、圧縮水素スタンドと圧縮天然ガススタンドの技術基準を改正。インフラ整備に乗り出した。

いずれにせよ、究極の目的は限りある天然資源への依存度をできるだけ低くすること。そのためのハード&ソフトの充実が必要不可欠。

蒸気機関車から電車へ。極論としては、それがエコカーの未来像。ならば、いかに電力を確保するか。キーワードは『スマートグリッド』という視点だろう。

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次世代のゼロ・エミッション・ビークルを目指して、自然との調和をコンセプトにiシリーズを展開するBMWから新たな提案が示された。

プラグイン・ハイブリット車『i8』のメディア向けローンチが行われたこの日、ロサンゼルス郊外で行われた発表会場では新たなライフスタイルを予感させるワンシーンが用意されていた。

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ライフスタイルに応じた電力の最適化

モダンアートのようなデザイン・コンシャスなカーポート(車庫)は、『ソーラー・カーポート・コンセプト』という『スマートグリッド』を具現化したカタチだ。デザインはBMWのグループ企業であるデザインワークスUSAが行っている。

『ソーラー・カーポート・コンセプト』は高効率ソーラーパネルのグラス・オン・グラス・ソーラーモジュールを屋根部分に採用し電力を生成。充電や蓄電、家庭への余剰電力の分配など多機能を備え、電力が不足したときは既存のグリッド電源を利用する。骨格部分にはカーボンと竹を採用。竹は循環・再生能力が高く、また強度も十分。こうした天然素材が醸し出す雰囲気は生活に潤いをもたらす。

日本でもソーラーパネルを屋根に載せたソーラー・カーポート自体は商品化されているが、その目的は売電が主流だ。2012年7月にはじまった固定価格買取り制度のおかげで、分散型発電設備の普及に拍車がかかる。経済産業省のデータによれば、同年度末の時点で96.9万kW、2013年度では130.7万kW増加したという。制度導入前は約470万kWの発電量であったことを考えると飛躍的に伸びている。

いかにして電力を確保し、ライフスタイルに応じて最適化するべきか。次世代エコカーとスマートグリッドの未来は、これからの社会を大きく変えていくだろう。