IDSA(アメリカ・インダストリアル・デザイナー協会)が主催するインターナショナル・デザイン・エクセレンス賞(International Design Excellence Awards)は1980年に設立された賞だ。
「AUTOMOTIVE & TRANSPORTATION」や「ENVIRONMENTS」など、23の分野から特に斬新でユニークな作品が選ばれる。
2014年には176作品が受賞し、GOLD、SILVER、BRONZE、FINALISTSに分類されている。
それらの斬新でユニークな製品の内、GOLDに選ばれた製品からいくつか紹介したい。
GOLD作品例
iPadのソフト上で描いた絵を、モレスキンの本に加工して届けてくれるというサービスだ。
ネット上で自分の作品を登録すれば、表紙から中身(蛇腹式に折りたたまれた紙)まで、自分だけのデザインが施されたオリジナルのモレスキンノートが制作されて、希望する住所に届けられる。
この製品は、3Dデンタルスキャナーで、立体物に模様の入った光を投射することで、立体形状を計測してデジタルデータとして取り込んでしまう。
近い将来、歯科医は患者の歯の形状を、3Dデータとして保存したり、歯科技工士に転送したりするようになるだろう。
こちらもiPadを活用する製品だ。このSquare Standがあれば、iPadをレジスターとして使用することができる。
カード読み取り機能、レシート印字、現金を取り出すキャッシャー、そしてバーコードスキャナーも利用できる。
軽量で有機的なデザインのこのロボットは、人と直接やりとりすることが前提として開発されている。例えば人に触れると引っ込むといった反応もできる。
精確な動きとフレキシブルな反応が、人との新しい協働スタイルともたらすことが期待される。
生活を変える製品
以上、ほんの僅かだけ受賞作品を紹介したが、他の作品も非常に斬新なアイディアが採用されており、見ているだけで世の中がどんどん良くなっていく、という様な気がして楽しくなってしまう。
受賞した製品は必ずしもハイテクが評価されたものばかりでは無く、使いやすさや美しさ、あるいはおもしろさといった評価でも取り上げられている製品も見られる。
例えばFINALISTSに選ばれた「Weighing Fishing Rod」という製品などは、魚を釣り上げる前に重量が釣り竿に表示されるといった、どちらかというと笑いを誘う製品もある。
全体的に評価されている傾向としては、使いやすさではないかと感じられる。いくら革新的な技術が採用されていても、使いこなすのが難しいのでは、人々の助けになりにくいからだ。
つまり、最先端の技術を使いやすくすることが製品開発者や工業デザイナーの腕の見せ所となるだろう。
彼らが世の中を、もっと快適に、もっと楽しくさせてくれることに期待したい。
*参考:The Best-Designed Products of 2014, as Chosen by Design Experts
*画像:Book | FiftyThree、High-end 3D dental scanners, dental scanner manufacturer | MEDIT、iPad POS, iPad Point of Sale – Square Stand、KUKA Laboratories GmbH – Lightweight Robotics