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スマホ節電の新兵器がクラウドファンディングで多くの支持を獲得

あなたはスマートフォンの電池の持ちに満足しているだろうか?

現代の生活において、スマートフォンはますます活用の場が広がっている。でも多用していると、電池が1日もたないというのがスマートフォンの泣きどころだ。

その対策としてはモバイルバッテリー等の活用が定番だが、ここではまたちょっとちがったユニークなデバイスを紹介したい。それは3.5インチの画面を持つセカンドスクリーンだ(下の画像の右側のアイテム)。AndroidスマートフォンとBluetoothで接続して使う別体のスクリーンである。これは現在開発中のInkCase Plusというアイテムで、KICKSTARTERで出資を募っている。

募集の期限まで22日を残しながら$100,000の募集額に対して本日時点で$185,692を集めているほどの人気ぶりだ。

InkCase Plus

なぜスクリーンの増設がバッテリーの消費を抑えるのだろうか?

スマートフォンのカラーLCD画面というのは、表示させることに比較的大きな電力が必要だという。そのわりに、電子メール、メッセージ、ニュースなど、日中ひんぱんにチェックする項目は、必ずしもカラーで見る必要はない。モノクロ画面でも十分なものは多い。

このInkCase PlusはLCDではなく電子インクを使ったスクリーンを持つ。アマゾンのKindleなどと同様だ。この電子インクの特徴は、モノクロ画面のみの表示ではあるが、いちど表示させた画面は電力を使わなくても表示させておくことができることだ。電力を使うのは画面を更新するときだけ。そういった特性もあって、LCDに比べると消費電力が少ない。

InkCase Plus

モノクロ表示ではあるが文字は読み取りやすい

「買い物リスト」「地図画面」などをスマートフォンからInkCase Plusに送っておけば、スマートフォンをONにしなくてもInkCase Plusのスクリーンで何度でも確認することができる。1回の充電で電子書籍をつづけて19時間(!)、3,400ページも読むことができる。これはスマートフォンでは到底不可能な数字だ。また電子インクは、直射日光の下でも読み取りやすいというメリットがある。

InkCase Plusは少々の汗や、濡れた指で操作しても大丈夫だ。また本体は45gと軽量で、厚みも約5mm。ランニング時やサイクリング時にスマートフォン本体はウエストバッグに収納しておき、InkCase Plusを手に持ったり、自転車のハンドルバーにマウントしたりという使いかたにも適している。

InkCase Plus

Inkcase Plusは、SMSやツイッターなどのメッセージを受け取ることもできるし、スマートフォン本体のLCDを表示させることなく、スマートフォン本体からの通知を受け取ることができる。また、電話がかかってきたときは、InkCase Plusで応答することができる。こうしてInkCase Plusをスマートフォンと連携して活用することで、スマートフォン本体の消費電力もかなり抑えることができるのだ。

スマートフォンを徹底的に実用ユースで使うひとなら画面はモノクロで十分というケースもあるだろう。

将来的にはスマートフォン本体から表示部をなくしてしまって価格を下げ、セカンドスクリーンですべて操作するという方式や、スマートフォン本体の画面をモノクロの電子インク方式にしてしまうといったものも出てくるかもしれない。スマートフォンの多様化の可能性を感じさせるデバイスだ。

*画像出典:InkCase Plus: E Ink screen for Android phone by OAXIS INC. — Kickstarter