四半期で米国の学校に100万台以上導入される。
米Googleは7月18日に行われた収支報告で、4月から6月の第2四半期の間に、米国の教育機関がChromebookを100万台以上導入したことを発表した。
同期間に世界中で販売されたPCが7600万台であったことと比較すると、米国の教育機関だけで100万台以上販売されたことのインパクトの大きさが分かる。
また、子供達が最初に慣れ親しむコンピューターがChromebookであることは、将来利用する端末やOSの傾向に大きな影響を持つであろうことも予想出来る。
特に米Googleが紹介した、コネティカット州ブリッジポート(Bridgeport)学区のデビッド・アンドレードCEOのブログでは、同学区に多い失業中の家庭の子供たちが、家庭では触れることができないコンピューターに触れる機会を、安価で携帯可能なChromebookの導入で与えることができたことが紹介されている。
同学区では、9歳になる第4学年以上の全生徒にChromebookを配布する目標を掲げている。
Chromebookとは何か
それではChromebookとはどのようなものなのか。
最も大きな特徴は、端末もOSも、ブラウザ上で全ての作業を行う様に設計されていることだろう。従って、インターネットに接続できる環境で使用することが前提になる。
しかしブラウザ上でできることは多い。ゲーム、動画閲覧、ワープロやスプレッドシート、イラスト作成など様々だ。
さらにChromebookにはGoogle Appsが予めインストールされている。例えばGmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメントなどだ。
他にもサードパーティーからさまざまなアプリが入手できるため、できることがどんどん増えていく。
しかもGoogleアカウント上に、アプリや作成したデータを保存しておけば、他のChromebookで作業の続きを行う事も簡単だ。
また、Chromebookの特徴はハード面にもある。基本的にブラウザが動作することを前提とするため、特別に高いスペックが必要とされないのだ。
データもGoogleドライブというクラウド上に保存されるため、HDなどの内蔵ストレージも小さくて構わない。
つまり、Chromebookのハードは、必然的に低価格になる。
Chromebookのメリット
Chromebookが教育現場で歓迎されたのは、Chromebookには以下のメリットがあるからだ。
まず、既に述べたとおり、現在ではウェブアプリケーションで行える作業が充実しており、Chromebookでは必要な機能がほとんどプリインストールされているということだ。
また、大量導入するほど大きくなるメリットとして、Chromebookのコストパフォーマンスの高さがある。
製造メーカーやモデルにより多少の差はでるが、1台3万円前後で購入できるため、一般的なPCの予算でChromebookなら3倍程の台数を導入できる。
そしてもう一つ重要なメリットがある。PCのアップデート管理だ。
多くの教育機関や企業が、大量のPCのアップデート管理に苦労しているはずだ。だが、Chromebookのアップデートは自動で行われるため、IT管理者の負担は劇的に減少する。
日本への上陸が始まった
このChromebookが日本でも発売されることが7月14日に発表された。やはりまずは企業や教育機関向けに発売される。コンシューマ向けはまだ検討中とのことだが、待ち望んでいる人も多いだろう。
日本市場での販売については、今のところデルや日本エイサー、日本ヒューレットパッカード、東芝、ASUSの5社のメーカーが参入を決めているようだ。
以下、まだ日本向け製品が販売されるかどうかは未確認だが、代表的なChromebookと価格を紹介しておく。
- LG Chromebase(LG電子):349.99ドル(約35,500円)
- Asus Chromebox(ASUS):179ドル(約18,100円)から
- Toshiba Chromebook(東芝):279ドル(約28,300円)
- HP Chromebook 11(HP):Wi-Fi版が279ドル(約28,300円)、LTE版が299ドル(約30,300円)
- Acer C720P Chromebook(Acer):299ドル(約30,300円)から
- Samsung Chromebook(サムスン電子):Wi-Fi版が249ドル(約25,200円)、3G版が329ドル(約33,400円)
また、ハイエンド仕様で高額な製品もある。
- Google Chromebook Pixel(Google):Wi-Fi版が1,299ドル(約131,700円)、LTE版が1,449ドル(約146,900円)
Chromebookは、まずはこれまで経済的にコンピュータに接することが難しかった子供達に、最先端のデジタル端末に触れる機会と、そこから学べる様々な可能性を与え始めたと言えるだろう。
*画像出典:Chromebook の機能について