米国特許商標局が公開したAppleの特許文書
米国特許商標局は7月22日にAppleの「iTime」の特許を公開した。「Wrist-worn electronic device and methods therefor (Patent No. US 8,787,006 B2)」と記載されており、意味としては、手首に装着された電子機器および方法、といったものだ。
図面に描かれた形状からは腕時計の様な「iTime」は、パソコンやスマートフォンとの連携機能が想定されているが、いったいどのような製品を目指しているのだろうか。
腕や手首の動きで入力できる?
「iTime」は腕時計型の製品で、タッチスクリーンが搭載される可能性があり、装置としては加速度計やGPS受信、Bluetooth、バイブレーション機能が備わることになっている。
iPhoneなどのモバイル端末とワイヤレスで連動して、例えば電話が掛かってきたことをスクリーンへの表示や音声、振動で知らせることができる。また、「iTime」側から遠隔操作で電話を切ることなどもできる。
「iTime」のスクリーンにはメール受信やSNSを表示することができるが、メールを送信したり投稿できるかどうかは分からない。
競合他社製品との差別化となりそうなのは、モバイル端末と連携していない単独の状態でも、音楽や動画を再生できることのようだ。
図面でもスピーカーやヘッドフォンなどに接続できるオーディオジャックが示されている。
特に注目したいのは、操作をタッチスクリーンだけで行うのでは無く、腕や手首の動きで操作できることだ。
例えば、手首を何回続けて振るかで異なった操作ができるようなので、ジェスチャーで操作するといった状況があり得るのだろう。
「iTime」はこの秋に「iWatch」になるのか?
特許を見ると、アップルがこの秋にも発表するのではないかと憶測されているスマートウオッチ「iWatch」そのものではないか、と思えてしまうが、実際には新製品がこのような物として発表されるかどうか分からない。
図面にしても、あくまで特許上の説明用に描かれたものなので、実際に開発される製品がこの通りの形状になるかどうかは不明だ。
「iTime」という名称も、実際に製品に使用されるとは限らない。何しろAppleの様な企業は多くの特許を持っており、全てが製品化されるとは限らないし、全く違った形で実現させる可能性もある。
ただ、アップルがこのような特許を取得したことで、同社がウエアラブルコンピュータ市場を賑やかにしてくれそうだということは、期待できるだろう。