もし、子供の頃、あるいは学生時代に野球をやっていたのでれば、想い出が染みこんだバットがどこかにしまわれたままになっていないだろうか。
部屋の隅やロッカーの奥、倉庫、あるいは離れた実家にバットが放置されたままになっているかもしれない。
もう、使うこともないけれど、捨てるに忍びないのならば、もう一度愛用品として蘇らせる方法がある。
アメリカのアイウェアブランドであるShwoodが、スポーツ用品メーカーであるルイビル・スラッガー(Louisville Slugger)社と提携を組み、想い出のバットを、新しい洒落たデザインのサングラスに蘇らせるプロジェクトを行っている
ルイビル・スラッガー社のこだわり
この想い出のバットをサングラスとして蘇らせる試みは、ルイビル・スラッガー社の野球やバットに対する拘りから始まったという。
ルイビル・スラッガー社はアメリカ合衆国・ケンタッキー州ルイビルにあるスポーツ用品メーカーだが、元々はバット作りから始まっている。
創業は1884年であり、この度、創業130年を記念して思い入れのあるバットのリサイクルを企画したのだ。しかもShwoodの職人達がお洒落なサングラスに蘇らせようというのだ。
なにしろ同社のバットは、アメリカ野球殿堂入りの野手の8割が使用していた時期もあり、かのベーブ・ルースも愛用者であった。
バットから作り出すサングラスには、キャンビ(Canby)とヘイスタックシルエット(Haystack silhouettes)の2タイプがある。
元バットだった木材はサングラスに使われることで、バットの持ち主だった人にとってはこれからもずっと暮らしの中で愛用品として使われることになる。
このサングラスにはルイビル・スラッガー社のこだわりが感じられる。その一部を見てみよう。
まず、耳に掛ける部分には、バットの握り部分をイメージした塗装が施されている。
そして想い出のバットの持ち主ににとって嬉しいのはその収納箱だ。サングラスと付属品だけでなく、材料として使われなかったバットの半分が、記念品のように美しく収められている。
その片側だけになったバットには、ルイビルスラッガー社のロゴと、サングラスブランド「Shwood」のロゴが印字されている。
サングラス用のトラベルケースは、ルイビル・スラッガー社のロゴ入りで手作りの革製だ。
想い出の物が姿を変えて愛用品に変わる
想い出がありながらも、どこかに放置されたままの物があるものだ。これがこれからも使える愛用品に生まれ変わるのであれば、それはなんとも粋な計らいではないかと思う。
想い出のバットから蘇ったサングラスを通して見るのは、これからの風景なのだから。
*画像出典:Shwood | Wood Sunglasses | The Original Wooden Eyewear – Shwood for Louisville Slugger Collection